聖書協会の口語訳とは? わかりやすく解説

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聖書協会の口語訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 09:45 UTC 版)

日本語訳聖書」の記事における「聖書協会の口語訳」の解説

口語訳聖書」も参照 第二次世界大戦後も、日本聖書協会文語での旧約聖書改訂継続しており、詩篇第1巻1948年全訳1951年)、ヨブ記1950年)の二書のみは文語改訂版出版された。この詩篇翻訳で、明治訳の「ヱホバ」が「主」に訳し直された。しかし、この改訳作業中断され口語訳へと切り替えられることとなった。その理由として日本聖書協会挙げたのは、戦後教育採用された「新かなづかい」と「漢字制限」に対応することであった。ただし、これに加えて改訂標準訳(RSV, 新約1946年旧約1952年)が現れたことが影響したという見解もある。1950年口語訳聖書作成決定され翌年松本卓夫山谷省吾高橋虔(以上、新約)、都留仙次遠藤敏雄、手塚一郎(以上、旧約)が改訳委員任命され、他にコンサルタント任命された。先に刊行されたのは新約聖書で、1952年から1953年にかけて各福音書使徒行伝分冊刊行された後、残り含めた全訳1954年公刊された。その底本ネストレ版で、19版(1949年)から始まり翻訳中届いた20版(1950年)、21版(1952年)も参照したという。ただし、日本聖書協会では公式に認められていないが、その訳文一致などからは、RSV重要な参考文献一つであり、それをそのまま訳出したと思われる箇所少なくないことが指摘されている。旧約聖書のほうは1953年創世記出エジプト記分冊刊行され全訳1955年公刊された。その底本ルドルフ・キッテルのビブリア・ヘブライカ第3版で、こちらについてはRSV旧約部分公刊され前にアメリカ聖書協会好意未定稿送ってもらい、大い参考したことが公表されている。新約旧約合冊版はその年の内刊行され同年毎日出版文化賞特別賞受賞した。これは明治訳大正改訳違い日本人の手なしとげた最初の翻訳と言える。なお、口語体書かれ和訳聖書この他にもカトリックバルバロ訳など多種あるが、単に「口語訳と言った場合には普通この1954年/1955年の日本聖書協会版を指す。ただし、「協会訳」、「協会口語訳」といった呼び方存在する日本基督教団属す教会では、1年でこの聖書へと切り替わったという。そして、刊行から10年間で旧新約聖書86部以上、新約聖書のみの版が42部以上の120部以上が頒布され、文語訳に取って代わっていき、カトリックでもこの口語訳使われることがあったという。この翻訳分かりやすくなったという好評得たのは確かである。しかし、その一方で、特に文体については悪評相次いだ作家評論家丸谷才一は、読者への訴求力論理的明晰さ、さらに文章としての気品などをいずれも欠いており、冗長であると批判し悪訳悪文代表としてとりあげた。批判的な文学者には塚本邦雄木下順二らも挙げることが出来る。また、牧師藤原男は冗長迫力締まりもない文体としたうえで、普通の訳文よりも語数多くなるはずの塚本虎二訳(理由後述)よりも明らかに字数が多いこと(4福音書全体塚本訳は口語訳の9割程度字数)をその一因として指摘している。ほかに、人称代名詞不自然に統一したことが文体悪影響及ぼしたという指摘もあり、同様の指摘敬語統一についても存在する他方で、文体への批判に対しては、古い訳への郷愁差し引いて評価すべきなど、一定の擁護見られるRSV依拠したことについても、むしろそれが質的向上に寄与した面を肯定的に評価する意見複数あり、訳者たちが独自に判断した箇所について正当に評価する必要性指摘されている。 後述する新共同訳聖書登場するとそれに取ってわられるようになったが、2005年アンケートでも、プロテスタント教会の19.2%ほどが、口語訳聖書を主に使っていると回答している。

※この「聖書協会の口語訳」の解説は、「日本語訳聖書」の解説の一部です。
「聖書協会の口語訳」を含む「日本語訳聖書」の記事については、「日本語訳聖書」の概要を参照ください。

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