老猿とは?

老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造〉

主名称: 老猿〈高村光雲作 明治二十六年/木造
指定番号 3477
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書
員数 1躯
時代区分 近代
年代 1893
検索年代
解説文:  全身長毛におおわれた老猿である。右斜め上方を睨み上体を捻って右前に倒し、左手斜め右前伸ばし数本羽根(五本)を掴み右手は臂を引いて岩角掴み左足曲げ踏み下げ右足の脛を掴んで岩上に座る。
 本体から岩までを含めてトチの一材(木心は像前方外れる)から丸彫りし、表面素地仕上げにし、眼には黒色鉱物嵌め込む
 背面岩座明治二十六年(一八九三)に高村光雲が造った旨の刻銘がある。高村光雲は、嘉永五年(一八五二江戸浅草生まれ一二歳で仏師高村東雲の門に入り伝統的木彫技法を学んだが、写実的西洋画等からいち早く写生の法を取り入れそれまで伝統手法の上に立ちながら、新し境地拓くことに努めた。彼の代表作としては老猿のほかに、楠木正成像・西郷隆盛像などの銅像、倭等の小品等があり、晩年のものとしては信濃善光寺仁王像等がある。
 本像は逃げ去った鷲の尾羽を掴んで空の一角睨み上げる老猿の姿を、トチ大木から丸彫りする。光口述記録した『光懐古談』によれば自ら材質選定をするため栃木山奥をまわってトチ大木探し求め、しかもモデルとなる浅草奥山茶屋で飼っていた借りてきたという。白い木肌の細かく揺れる木目の感じ毛並みに活かし、凹凸著し奇岩の上に腰をおろした精緻彫り上げる。しかも気迫のこもった眼差し右上方の一点凝視するという、綿密観察に基づく迫真的な表現写実的に表したもので、熟練した彫技に基づく動物描写さることながら精神緊張表現する堂々たる巨作である。
 本像は、明治二十六年にシカゴ行われ第三万国博覧会出品作品であるが、この万博それまで沈滞していた当時彫刻界にとって、その真価海外に問うたもので、石川光明観音菩薩倚像」や竹内久一伎芸天像」、山田鬼斎「平治物語図額」など、近代木彫史を代表する作品出品されている。なかでも本像は優等の賞をとり、内外好評を博したものであり、当時象牙彫刻全盛期わが国彫刻界にあって、その後明治前半期における日本伝統的木彫進路方向づけた優品推賞できよう。

老猿

作者谷克二

収載図書老猿
出版社徳間書店
刊行年月1993.3



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「老猿」の関連用語

老猿のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



老猿のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2019 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.

©2019 Weblio RSS