経営陣交代と経営不振とは? わかりやすく解説

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経営陣交代と経営不振

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:19 UTC 版)

信濃電気」の記事における「経営陣交代と経営不振」の解説

1930年発生した昭和恐慌は、長引く不況衰退しつつあった長野県製糸業さらなる打撃与えた県内製糸業者には倒産休廃業が相次ぎ養蚕農家にも影響拡大製糸養蚕業低迷をうけて1930年11月には北信東信地方銀行統合して発足した信濃銀行開業2年7か月破綻し金融界にも動揺広がっていった。 製糸業界が経営難見舞われる中、越寿三郎本業である製糸業不振自身高齢病気のため長年わたって関係してきた信濃電気信越窒素肥料経営に当れなくなったとして両社から退くと決断した報道によると、越は1929年12月ごろ、大手電力会社東邦電力傘下にある東邦証券保有対し所有する信濃電気株式約35000売却交渉した東邦電力による買収一時有力案と見られたものの、両者主張する売買価格には開きがあったという。最終的に越は長野電灯経営者小坂順造信濃電気信越窒素肥料両社経営引き受けるよう依頼し、その了解得た小坂長野電灯創業者小坂善之助長男で、政界では衆議院議員財界で長野電灯社長1923年就任)などを務め人物小坂は越の持株高値引き取り、越個人苦境救ったという。信濃電気大株主一覧によると、1930年9月時点では筆頭株主長野電灯持株数64010持株比率19パーセントになっている信濃電気信越窒素肥料両社経営託され小坂順造であったが、濱口内閣の拓務政務次官在任中(1929年就任)であり、会社経営にあたれない状況にあった。そこで小坂は、親交のある長野県出身実業家当時富士電機製造(現・富士電機社長在任中の名取和作信濃電気信越窒素肥料両社社長就任依頼し、その承諾得た1930年4月30日開催信濃電気株主総会において、越寿三郎・越泰寿三郎次男)・小林暢工藤善助の4名が取締役から退き名取和作花岡俊夫花岡次郎婿養子小坂順造義甥)・諏訪部庄左衛門当時長野電灯社長)ほか1名が取締役就任。そして同日社長名取和作副社長小田切磐太郎常務花岡俊夫という新経営陣発足した信越窒素肥料においても同年6月越寿三郎社長辞任し名取交代している。 名取社長に就任した1930年9月期決算において、信濃電気不況深刻化に伴い電灯取付数が前期比1.5パーセント減となり、7月実施電灯料金値下げ相まって大幅な減収来して年率9パーセントへの減配余儀なくされた。翌1931年昭和6年5月25日濱口内閣総辞職に伴い拓務政務次官の職を離れた小坂名取に代わって社長に就いた副社長小田切同年4月退任しており、以後社長小坂常務花岡俊夫という布陣となっている。小坂同時に信越窒素肥料でも社長に就き7月には長野電灯でも社長に復帰した小坂社長に就任した1931年9月期には需要減退傾向著しく信濃電気年率6パーセントへのさらなる減配追い込まれた。需要回復傾向明らかになるのはその1年半後、政府による救済事業金融業界好転影響が及ぶ1933年3月期のことである。同期以後利益率回復向かった。 この時期傘下信越窒素肥料はより深刻な経営不振見舞われており、多額欠損金抱え操業開始以来1度信濃電気電力料金支払えない状況にあった経営改善策として人員整理操業短縮繰り返したが、1931年12月工場一時操業停止断行された。信越窒素肥料工場停止信濃電気にとっては大口需要家喪失意味するため、社長小坂信濃電気本体与え悪影響回避すべく工場設備そのまま他社貸与するという対策講じた貸与先は日本曹達合金鉄製造)・理研マグネシウム理化学興業傘下マグネシウム製造)・電気化学工業石灰窒素製造)の3社である。3社への貸与によって工場操業順次再開される信濃電気にも電力料金が入るようになり、その経営改善にもつながった

※この「経営陣交代と経営不振」の解説は、「信濃電気」の解説の一部です。
「経営陣交代と経営不振」を含む「信濃電気」の記事については、「信濃電気」の概要を参照ください。

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