組閣の手順とは? わかりやすく解説

組閣の手順

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 15:54 UTC 版)

組閣」の記事における「組閣の手順」の解説

内閣内閣総辞職から内閣総理大臣指名選挙経て新内閣の組閣に至るまでの手続としては一般的に以下の手順が踏まれる。 前内閣内閣総辞職内閣は、衆議院不信任決議案可決又は信任決議案否決され10日以内衆議院の解散選択しない限り総辞職しなければならない日本国憲法第69条)。また、内閣総理大臣欠けたときや衆議院議員総選挙の後に初め国会召集があったときにも内閣総辞職をしなければならない日本国憲法第70条)。内閣総辞職したときには国会法基づいて直ち両議院に対して通知を行う。総辞職した内閣新たに内閣総理大臣任命されるまで引き続き職務を行う(日本国憲法第71条)職務執行内閣参照 内閣総理大臣指名選挙内閣総理大臣国会議員の中から国会の議決指名する日本国憲法第67条前段)。この指名は他のすべての案件先立って行うこととされているが(日本国憲法第67条後段)、その趣旨内閣総理大臣指名されないままの状態にあることは国政上において重大な支障をきたすためである。ただし、条理上、院の構成など正常に議事運営行い議院有効に活動するための前提となる手続議長選挙議席指定等)については先決問題とされ内閣総理大臣指名選挙よりも前に行われるが(昭和53年衆議院先例69昭和53年参議院先例77)、これは憲法予定するところあるいは憲法許容するところと解されている。国会で内閣総理大臣指名選挙が行れ新しく内閣総理大臣となるべき人物国会議員)についての議決確定すると、衆議院議長天皇その旨奏上する国会法65条)。 組閣本部における人事選考一般に組閣本部における人事選考内閣総理大臣任命前に行われる。つまり次期内閣総理大臣となる者は、国会指名受けた者という資格において組閣準備取りかかることが一般的となっている。後述のように内閣総理大臣任命によって従前内閣はその地位を完全に失うことになる(日本国憲法第71条)。したがって内閣総理大臣任命後に組閣作業を取るとすると、その間内閣内閣総理大臣のみで構成されることになる。しかし、そもそも内閣合議体であることを本質としていることから、内閣総理大臣任命時期から国務大臣任命内閣成立までは極めて短い期間であることが憲法上、期待されていると考えられている。かつて片山内閣では1947年5月27日内閣総理大臣任命後の同年6月1日国務大臣任命されまた、第2次吉田内閣でも1948年10月15日内閣総理大臣任命後の同年10月19日国務大臣任命されたが、内閣総理大臣任命から組閣完了まで数日要しており、このような手続のとり方に対して合議体たる内閣制度本旨反するもので妥当でないといった批判があった。これに対して第3次吉田内閣では1949年2月11日内閣総理大臣指名後の同年2月16日組閣完了した上で内閣総理大臣国務大臣任命同時に行われこのような手続を取る慣行憲法趣旨合致するといった評価受けたこのようなことから次期内閣総理大臣となる者は指名受けた者の資格において組閣準備取りかかり、組閣本部国務大臣とする者を予め選定した上でその後内閣総理大臣任命時間的に密着する形で国務大臣任命認証の手続が取られることが一般的となっている。新内総理大臣となるべき人物首相官邸において与党幹部内閣官房長官就任予定者らと「組閣本部」を立ち上げて組閣作業着手し国務大臣任命する人物及びその補職決め、自らの新内閣の布陣整える(この時点では宮中での任命認証行われていないため、新首相含め全員就任予定者である)。内閣構成する際には国務大臣過半数国会議員としなければならない日本国憲法第68条但書)。これは内閣構成上の要件とされ、ここでいう過半数」は国務大臣定数過半数ではなく在す国務大臣過半数の意味とされる組閣作業の後、首相官邸において内閣官房長官就任予定者がこの人事を発表し続いて閣僚予定者が就任会見行いその抱負等を述べることが慣例となっている。ただし、過去4例ほど内閣総理大臣親任式のあとに組閣作業行った例がある(一人内閣参照)。 親任式認証官任命式天皇国会指名基づいて内閣総理大臣任命する日本国憲法第6条1項)。内閣総理大臣任命について定め日本国憲法第6条には日本国憲法第7条とは異なり内閣助言承認」の文言がないが、内閣総理大臣任命日本国憲法第4条の「この憲法定め国事に関する行為」(いわゆる国事行為)に含まれ日本国憲法第3条効果として内閣助言承認要することになる。そして、内閣総理大臣任命について先例では日本国憲法第71条規定によって従前内閣助言承認を行うことになっている内閣総理大臣任命においては衆議院議長参議院議長列席のもと任命が行われる(実際の例では内閣総理大臣任命する儀式として親任式が行われる)。内閣総理大臣任命によって従前内閣はその地位を完全に失うことになる(日本国憲法第71条の「新たに内閣総理大臣任命されるまで」)。内閣総理大臣以外の国務大臣内閣総理大臣により任命され日本国憲法第68条第1項本文)、天皇によって認証される(日本国憲法第7条第5号)。認証天皇の国事行為あり内閣の助言承認要するが(日本国憲法第7条第5号)、性質上、それは新たに任命され内閣総理大臣のみによって行われることになる。国務大臣認証においては認証式が行われる。実際の例では天皇認証を必要とする認証官任命式については認証官任命式という形で行われ内閣総理大臣による任命において天皇がその辞令親署するという形式認証が行われることになる。 以上の宮中において内閣総理大臣親任式次いで国務大臣認証官任命式が行われた時から新内閣が正式に発足する組閣後に初閣議後に首相と全閣僚一斉に並んで記念撮影が行われるのが慣例となっている。記念撮影の場所は首相官邸階段が多いが、過去には首相官邸中庭行われた例もある。なお、組閣後、首相官邸で各閣僚による就任記者会見が行われていたが、深夜帯行われ官僚働き方改革逆行する」と指摘されており、2021年10月政府から廃止する方針示された。

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