節足動物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 08:30 UTC 版)
節足動物の場合、毛は体表の外骨格の突出部である。太くて曲がらない棘とは異なり、毛は細くて曲がることができる。その基部に曲がるための構造(ごく薄くなったクチクラなど)がある場合もあり、各部に刺激の受容部を持って、感覚器として働く場合も多い。クモ類では、その基部に毛の動きを捉えるしくみがあり、音を聞く(空気の振動を受容する)構造と考えられるものが脚にある。これを聴毛(ちょうもう、英: trichobothria)という。甲殻類では、触角の付け根には嗅覚に関わると考えられる、毛束状の感覚毛(かんかくもう、英: esthetasc)をもつ場合がある。
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節足動物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 14:50 UTC 版)
詳細は「合体節」を参照 節足動物の体は、環形動物と同様に体節制をもち、体節ごとに1対の付属肢(関節肢)がある。ただし、複数の体節がまとめて一つの部分を作る、合体節(がったいせつ)というものを形成するものが多い。頭部はその代表的な例である。頭部には眼・触角・口器など、対をなす構造があるが、それらは元の体節に対応した部分である。そのうち、眼・上唇・口は最初の体節である先節に由来する器官で、触角・顎などの口器はそれ以降の体節に由来する付属肢である。頭部の構造は、節足動物の系統を考える場合、もっとも重視される特徴の一つである。 現生の節足動物から見ると、頭部の構造は以下の3つに大別できる。 甲殻類の頭部は2対の触角、1対の大顎と2対の小顎を持つ。一部の分類群では、さらに胸部最前数節の付属肢が顎脚(がっきゃく)として口器に参加する。十脚類(カニ・エビなど)では、頭部がさらに歩脚をもつ胸部と癒合して頭胸部を形成する。 六脚類(昆虫など)と多足類(ムカデ・ヤスデなど)の頭部は、1対の触角、1対の大顎と2対の小顎を持つ。ただし六脚類の場合、第2対の小顎はお互いに癒合して1枚の下唇となる。 鋏角類(クモ・サソリ・カブトガニなど)の頭部の相当する合体節は前体といい、触角はなく、付属肢として独立した口器は1対の鋏角(きょうかく)のみであり、多くの場合は直後の付属肢(主に触肢)の基部が特化した突起をもち、口器として参加する。また、他の現生節足動物の頭部とは異なり、鋏角類の前体は歩脚も兼ね備え、機能としては頭胸部的である。
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節足動物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 09:31 UTC 版)
真節足動物の合体節0:先節、暗灰色:頭部融合節、P/赤色:前大脳性、D/黄色:中大脳性、T/青色:後大脳性 節足動物の場合、全ての現生群(鋏角類・多足類・甲殻類・六脚類)を含んだ真節足動物の先節は独立せず、常に直後2節以上の体節と融合し、頭部や前体などという合体節(頭部融合節)構成する。また、先節の神経節(前大脳)だけでなく、直後の第1-2体節の神経節も脳神経節(中大脳 deutocerebrum と後大脳 tritocerebrum)となり、真節足動物として特徴的な3節の脳(tripartite brain)を構成する。ラディオドンタ類などの基盤的な節足動物の場合、頭部の体節が真節足動物より少ないとされるが、これは文献により先節のみ、もしくは先節と第1体節を含むと解釈される。 真節足動物の胚発生の初期では、先節の腹面は口の直前に1対の肢芽状の上唇(labrum)がある。しかし発育が進む途端、これらの部分は先節の前腹面から徐々に中大脳性な第1体節より後方の腹面まで占め込んで、上唇もお互いに1つの構造体に融合する。そのため、節足動物の胚発生以降の口と上唇は、外見上では第1体節/中大脳性の付属肢(鋏角・第1触角など)より後ろにあるように見えるが、実際にはそれより前の先節由来の構造である。 真節足動物の先節直後にあり、それぞれ中大脳と後大脳をもつ第1と第2体節は、通説ではそれ以降の体節に連続相同(同種類の構造の繰り返し)とされる。すなわちこれらの体節は、頭部が先節/前大脳のみをもつ基盤的な節足動物から頭部が複数の体節/3節の脳をもつの真節足動物に至る系統で、既存の胴節であった前2節が先節と融合し、二次的に頭部の一部に特化したものだと考えられる。一方、遺伝子発現の違い、および基盤的な節足動物の前大脳性付属肢と一部の真節足動物の中大脳性付属肢の類似(例えばラディオドンタ類の前部付属肢とキリンシアの前端の付属肢)を基に、これらの体節はそれ以降の体節に連続相同でなく、むしろ基盤的な節足動物から真節足動物に至る系統で、先節から分化して新たに形成した体節という異説もある。
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節足動物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:19 UTC 版)
節足動物の附属肢は、関節のある外骨格を持つ点で、この群に独特の構造であり、関節肢と呼ばれる。歩行のための器官としては、脊椎動物のそれと同等の働きをもつ。節足動物という名は、そもそも節のある足、つまり独特の附属肢を持っているからこその名である。すべての節足動物の群は、基本的には体節ごとに附属肢を持ち、それを運動や摂食、呼吸のための器官としている。 原則的には、節足動物の体は同等な構造の体節の繰り返しからなる(体節制)ものと考えられている。この体節にはそれぞれ一対の附属肢が付属している。附属肢は節足動物の体と同じように、表面が硬化した外骨格で覆われ、各所に関節があって、その部分でのみ折り曲げることができる。実際には、すべての体節に附属肢があるとは限らず、多くの群では附属肢を欠く体節がある。また、体節によってその構造が異なる場合も多い。 なお、頭部の触角や口器、尾端につくヒレなども附属肢に由来するものである。特に頭部は複数の体節の融合によって形成され、そこに所属する附属肢は、多くの場合に非常に特殊化している。 詳細については関節肢を参照されたい。 昆虫の翅などを付属肢に含めて考えた場合、それに似た例は他には少ないようである。
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節足動物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 16:06 UTC 版)
昆虫や甲殻類などの節足動物は、成長につれて脱皮をくりかえす。これらの動物はクチクラの外骨格を持ち、脱皮の際にはそれを全て脱ぎ捨てる形となる。脱ぎ捨てられた皮は、元の動物の外形全てを残す形となるが、その内側を見ると、気管などの内部構造まで脱皮しているのが分かる。 脱皮する前に新しい外皮が内側に作られているが、脱皮するまでは硬化していないので、脱皮後しばらくは柔らかい体となり、敵に狙われやすくなる。なお、昆虫などキチン質の外殻を持つものでは硬化にはそう時間がかからないが、大型甲殻類のように石灰質の殻を持つ場合、脱皮するにも殻が固く、脱皮前にまず石灰質が体内に回収される。脱皮の後にこの石灰質によって新しい殻が硬化するので、より時間がかかる。
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