基盤的な節足動物(1980年代後期~21世紀)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 14:21 UTC 版)
「オパビニア」の記事における「基盤的な節足動物(1980年代後期~21世紀)」の解説
.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}脱皮動物 環神経動物 鰓曳動物 、線形動物 など 汎節足動物 有爪動物(カギムシ) 緩歩動物(クマムシ) *†様々な葉足動物(側系統群) *†シベリオン類 *†パンブデルリオン *†ケリグマケラ オパビニア類 †オパビニア †ウタウロラ †ラディオドンタ類 真節足動物 系統解析に支持されるオパビニアの系統的位置†:絶滅群、青枠:基盤的な節足動物、*:葉足動物 「オパビニア科#分類」、「ラディオドンタ類#分類」、および「アノマロカリス#分類史」も参照 しかし前述の見解に対して専門家からの反発が強く、アノマロカリスと共に、オパビニアはそこまで言うほど難解ではなく、節足動物に含める可能性が多くの文献記載に示された。特に1990年代以降では、新たな発見と系統分類学(特に分岐分類学)の発展により、これらの古生物の類縁関係についての考察が飛躍的に進んでいた。 Bergström 1986 の再記載をはじめとして、オパビニアとアノマロカリスの共通点(特化した前部付属肢・眼柄に突出した複眼・胴部の鰭と鰓・尾扇など)が注目される同時に、今まで思った以上に節足動物的であることも徐々に判明した。オパビニアの吻は一見して異様だが、先端の"ハサミ"は(Whittington 1975 のような縦開きではなく)横開きで左右対称の構造体であり、明らかに融合した1対の付属肢である。このような付属肢の融合に無理はなく、むしろ節足動物で一般に見られる特化様式である。鰓の部分もアノマロカリスと同様に一連の葉状の附属体であると判明し、これは節足動物の外葉によく似ている。更に、両者の特化した消化腺と眼柄に突出した複眼・オパビニアの後ろ向きの口・アノマロカリスの関節肢化した前部付属肢も節足動物的な特徴である。一方で、オパビニアとアノマロカリスの放射状の口器と柔軟な胴部は(付属肢由来の口器と硬質の外骨格を胴部にもつ)一般的な節足動物とは明らかに異なるため、これらの古生物は、少なくとも現生の節足動物の系統群に属さない「独特な節足動物」であることも同時に示された。 1990年代では、ケリグマケラとパンブデルリオンが見つかり、この2つの古生物はオパビニアとアノマロカリスに似た特徴(前部付属肢・鰭・鰓・消化腺)だけでなく、葉足動物に似た性質(柔軟な表皮・環形の筋・葉足・放射状の口器)も出揃った中間型生物(ミッシングリンク)であり、前述の節足動物らしからぬ性質は、汎節足動物や脱皮動物の起源まで遡れる、葉足動物との共通祖先から受け継いた祖先形質であることを示していた。こうしてオパビニアとこれらの古生物は、胴部の外骨格を進化する以前の、節足動物の絶滅した初期系統(ステムグループ)に属する「基盤的な節足動物」である説と、節足動物は(有爪動物・緩歩動物と同様に)葉足動物から進化した動物群である説が台頭し始めた。 オパビニアと共に基盤的な節足動物として広く認められるラディオドンタ類(アノマロカリスは右上) 葉足動物、オパビニアとラディオドンタ類の特徴を掛け合わせたパンブデルリオンとケリグマケラ アノマロカリスは、後に多くの近縁(ペイトイア、フルディア、アンプレクトベルアなど)をもつことが分かり、ラディオドンタ類(Radiodonta、旧称アノマロカリス類)の一員としてまとめられるようになった。オパビニアはラディオドンタ類ではないが、オパビニア類(オパビニア科、後述参照)の一員としてラディオドンタ類と共に、基盤的な節足動物の中でケリグマケラとパンブデルリオンより派生的で、残りの「真正」の節足動物(真節足動物)に最も近縁の群と考えられるようになった。この系統関係は、21世紀以降も多くの系統解析と新たな発見(例えば中間型生物キリンシア)に広く支持され続けており、オパビニアとこれらの古生物(恐蟹類)は、節足動物の起源に重要な情報を与えたものとして一般に知られるようになった。
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