保存状態の良くないメガケイラ類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 15:57 UTC 版)
「パラペユトイア」の記事における「保存状態の良くないメガケイラ類」の解説
パラペイトイア(右上から2番目)をも含んだ様々なメガケイラ類の大付属肢 しかしその後、本属をラディオドンタ類とする見解は多くの文献に疑わしく見受けられる。これはラディオドンタ類らしくない性質(メガケイラ類の大付属肢に共通の構造をした前端の付属肢・胴部付属肢はメガケイラ類に似た二叉型の関節肢・腹板があるなど)がほとんどであることと、ラディオドンタ類的とされる性質(特に歯の構造)の不確実性が大きな理由である。2010年代以降、本属を含んだ系統解析結果とラディオドンタ類について取り扱う文献は、ほとんどが本属をラディオドンタ類として認めておらず、単に化石の保存状態が良くないメガケイラ類と見なしている。例えば Aria et al. 2020 による系統解析では、本属はメガケイラ類の中でジェンフェンギア科(Jianfengiidae)に含まれ、フォルティフォルケプスに近縁である可能性まで示された。 加えて、前述のラディオドンタ類とメガケイラ類の類縁関係も、2010年代以降では否定的である。明らかに真節足動物であるメガケイラ類とは異なり、ラディオドンタ類は多くの祖先形質(柔軟な胴部、単純の脳神経節など)により基盤的な節足動物として広く認められるようになった。神経解剖学的証拠も、両者の類縁関係および前部付属肢と大付属肢の相同性に疑問を掛けており、メガケイラ類の脳神経節は真節足動物的(前・中・後大脳の3節を含む)で、大付属肢は中大脳性(第1体節由来)である一方、ラディオドンタ類の脳神経節は前大脳のみを含んでおり、前部付属肢も前大脳性(先節由来)であることが示される。 詳細は「ラディオドンタ類#系統関係」、「ラディオドンタ類#前部付属肢の対応関係」、および「Megacheira#大付属肢の対応関係」を参照
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