他の汎節足動物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 09:31 UTC 版)
カギムシの前部の体節構成I:先節、II-IV:第1-3体節、F.p:口器最初の乳頭突起、ant:触角、md:顎、O.P.:粘液の噴射口、m:口、P:前大脳、D:中大脳 クマムシの体節構成K:先節(頭部)、L1-4:第1-4体節、LP1-4:第1-4脚 「汎節足動物#起源と進化」も参照 有爪動物(カギムシ)の場合、先節には1対の発達した触角をもち、直後の第1体節(顎と中大脳をもつ)と融合して頭部を形成する。胚発生の初期では口が先節の腹面にあるが、発育が進む度に大きく陥入して第1体節/中大脳の後ろまで後退する。陥入部の外側は先節、第1と第2体節由来の乳頭突起(oral papillae)に囲まれ、外見上の「新しい口」を形成される。中大脳性な第1体節をもつという点は真節足動物に共通だが、一般に収斂進化の結果とされる。また、真節足動物の第1体節に似て、有爪動物のそれも通説では既存の胴節から二次的に頭部の一部に特化したものだと考えられる。ただしこれは真節足動物のように、先節から分化した可能性もあるとされる。 緩歩動物(クマムシ)の頭部は、かつては真節足動物のように脳は3節含め、すなわち頭部は先節と直後2節の体節を含む説もあったが、後に多方面(発生学・神経解剖学・遺伝子発現)な証拠に否定され、その脳は前大脳のみで、すなわち頭部は先節のみを含むだと判明した。これは葉足動物という、現生汎節足動物のそれぞれの初期系統に至るとされる絶滅群も同様とされ、汎節足動物の祖先形質を反映したと考えられる。緩歩動物の口器に内蔵した歯針(stylet)は、通説では先節由来の付属肢で、すなわち有爪動物と葉足動物の触角、および真節足動物の上唇に相同とされるが、この解釈は未だに発生学と遺伝子発現の証拠を欠けるため、確定的ではない。
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