第二次楽天時代
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2017年11月21日に、楽天へ8年ぶりに復帰することが発表された。年俸は1500万円(金額は推定)で、背番号は26。復帰時点での年齢は37歳で、現役の野手としてはチーム最年長、投手を含めれば、同学年(1980年5月23日出生)の久保裕也に次ぐ年長であった。また、最初の在籍期間中に続いてチームメイトになった選手からは、復帰を我がことのように喜ぶ声が相次いで上がったという。 2018年には、レギュラーシーズンの開幕を一軍で迎えると、序盤戦にスタメンや代打で活躍。セ・パ交流戦期間中の6月中旬に出場選手登録をいったん抹消されたが、最初の在籍期間中のチームメイト(外野手)で同い年(1980年4月23日出生)の平石洋介が監督代行として一軍の指揮を始めた同月下旬からは、シーズン終了まで一軍に帯同した。8月24日の対日本ハム戦(札幌ドーム)では、5回表の打席で、移籍後の初本塁打を堀瑞輝からマーク。一軍公式戦での本塁打は、横浜時代の2011年4月24日に対阪神戦(甲子園)で放って以来7年ぶりであった。一軍公式戦全体では、西武時代の前年から倍増以上の69試合に出場。打率.208ながら2本塁打を放ったことなどから、シーズン終了後の契約交渉では、推定年俸1700万円という条件で契約を更改した。 2019年には、一軍監督へ正式に就任した平石の下で、春季キャンプ後の2月末から3月上旬まで台湾遠征(Lamigoモンキーズとの2連戦)に帯同した。帯同中に右足首の関節を脱臼したものの、前年に続いて、レギュラーシーズンを一軍でスタート。5月9日の対ソフトバンク戦(楽天生命パーク)では、一軍公式戦におけるシーズン唯一の安打を、自身初の代打本塁打で記録した。しかし、6月21日のDeNA戦(横浜)に代打で出場した際に右足首を再び痛めたため、翌21日付で出場選手登録を抹消。抹消後に右足首の習慣性腓骨筋腱脱臼が判明したため、7月5日に患部の手術を受けた。その影響で一軍公式戦の出場は過去最少の19試合(オール代打)にとどまったが、シーズン終了後の10月14日には、現役生活を続けながら翌シーズンから一軍の打撃コーチを兼務することが発表された。二軍監督の三木肇が平石に代わって一軍監督へ就任したことに伴う兼務で、楽天の現役選手によるコーチ職の兼任は、球団史上初めてである。 2020年には、選手としてオープン戦9試合に出場。レギュラーシーズンの開幕一軍メンバーにも登録されたが、実際には6月19日の開幕から公式戦への出場機会がなく、同月25日に登録を抹消された。実際には、抹消後も二軍のイースタン・リーグ公式戦へ出場せず、一軍のコーチ職に専念。選手としての再登録が見合わされたまま、9月12日にこの年限りで現役を引退することが発表された。翌13日に臨んだ引退記者会見では、「『コーチを兼任しながら試合に出て活躍したい』と強く思っていたにもかかわらず、シーズンの半分が過ぎたところで(試合へ)出場する機会がなくなったこと」を引退の理由に挙げたうえで、「楽天に入団してから、楽天のユニフォームを着て引退することが自分の夢だった。(途中で)さまざまなことがあったが、(自分は)『幸せだな』と思う。今の自分があるのは、若い時に楽天で成長させていただいたからなので、(横浜と西武への在籍中にも)『いつか(楽天で)恩返ししたい』という思いをずっと持っていた」と涙ながらに述べた。楽天野球団では、渡辺の引退表明を受けて、11月6日に楽天生命パーク宮城で組まれていた古巣の西武戦を渡辺の引退試合として開催。この試合に自身の希望で「1番・指名打者」としてスタメンでこの年唯一の公式戦出場を果たすと、3回裏の第2打席で安打とヘッドスライディングによる得点を記録したほか、現役最後の打席になった7回裏の第4打席でも安打を放った。9回表には、指名打者を解除したうえで遊撃の守備に就くと、無死一・二塁から栗山巧のゴロを捕球後に併殺を完成。岸孝之(西武時代から楽天への復帰後を通じてのチームメイト)の11奪三振による完投も相まって、チームは4-2で渡辺の引退に花を添えた。試合後の引退セレモニーでは(楽天入団当初の監督だった野村克也から教わった)「一流の脇役になる」「うまい選手より(怪我に)強い選手になる」という言葉を目標にプレーを続けたことを明かした。さらにDeNA・西武時代のファンに対して「(西武の本拠地がある)所沢の地で、(DeNAの本拠地がある)横浜の地で共に戦ったことを一生忘れません」との表現で謝意を示してから「最高の球団で、最高のチームメイトと、最高のファンと共に野球ができて、本当に幸せでした。全ての出会いに感謝。14年間、夢のような時間をありがとうございました」という言葉で締めくくった。渡辺の引退により、「松坂世代」の現役野手が全員引退した。
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