競技における問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 16:01 UTC 版)
「2010年アジア競技大会」の記事における「競技における問題」の解説
女子柔道48kg級では、防戦一方だった中国の呉樹根が判定で日本の福見友子を破るという結果になった。呉が帯を外して上衣を直すという露骨な時間稼ぎを何度も繰り返したが、主審は注意をしなかった。また、地元の係員が観衆の声援を煽り、呉勝利の瞬間には跳び上がって喜んでいた。福見は「結果も内容も納得いかない」と不満を漏らした他、日本女子柔道監督の園田隆二も「アグレッシブさがあり、国際柔道連盟が求める柔道をしていた」、さらに国際柔道連盟審判委員の川口孝夫も「3-0で福見が勝っていた」、吉村和郎強化委員長も「あんな判定をしていたら中国自体が疑われる。100人が見たら、100人が福見の勝ちだと言う」と判定の不可解さに不満を漏らしている。観客の異常なまでの盛り上がりが、主審のモンゴル人審判・副審の韓国人審判に影響を与えたと考えられる。また、女子63キロ級準決勝において、上野順恵が北朝鮮のキム・スギョンに試合中左目付近をこぶしで数回殴られて負傷した。試合中、上野は痛みでうずくまっていたが、審判は反則を取らず、上野に試合続行をせかした。試合後には目に青あざができ、競技終了後には打撲と診断された。11月15日、全日本柔道連盟(全柔連)の上村春樹会長は、試合中の映像を編集して国際柔道連盟に提出する考えを明らかにした。 女子テコンドーにて、金メダルの有力候補であった台湾の楊淑君が、「規定外のソックスの使用」を理由に試合途中で失格となった(対戦相手はベトナムの武氏厚選手)。試合前の検査をパスしており、また、慣例では、規定外の防具を使用した場合は「減点」ないし「交換」となっている。台湾の行政院体育委員会は遺憾の意と抗議を表明、中華民国テコンドー協会を通して、アジアテコンドー連盟に審査請求を行う予定。その後、台湾国内では(問題と直接の関係がない)テコンドー発祥国の韓国に対する批判が相次ぎ、怒りの収まらないファンが台湾体育委員会の前で太極旗を破ったり韓国産輸入品を投げて抗議した。また一部商店では「中華民国チームのために韓国人には物を売らない」という警告文まで掲げられた。馬英九総統は「今回の失格は受け入れにくい」「主催側の事故原因調査を強力に要求する」とコメント、戴遐齢体育委員会主任も「納得できる説明を出さない場合、国際司法裁判所に提訴する」とコメントした。 「2010年アジア競技大会におけるテコンドーでの失格判定」を参照 男子サッカー日本代表に関し、試合前日の公式練習でのスパイクとボールの使用が突如禁止されたり、対中国戦において中国人観衆が君が代斉唱中にブーイングを浴びせたり、日本人サポーターに罵声を浴びせたりした。「2010年アジア競技大会におけるサッカー競技#男子日本代表への対応」も参照 男子サッカー中国対マレーシア戦にて、マレーシア側にレッドカード3枚とイエローカード9枚が与えられ、結果的に中国が勝利した。 男子バスケットボール2次リーグ日本対カタール戦でにおいて、地元観客から日本代表に対して激しいブーイングが浴びせられた。 女子レスリング55kg級で優勝した吉田沙保里が表彰式の後、日の丸を掲げて写真撮影に応じていたが、大会関係者から制止された(国際大会において優勝選手が国旗を掲げて記念撮影するのは恒例となっている)。
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