秘密報告の内容とは? わかりやすく解説

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秘密報告の内容

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 23:30 UTC 版)

スターリン批判」の記事における「秘密報告の内容」の解説

フルシチョフ秘密報告個人崇拝とその結果について」は、1956年2月25日行われた会議秘密会とされ、これまで出席していた外国共産党労働者党の代表は招かれていない秘密報告は、スターリンの名前を挙げて個人崇拝独裁政治による粛清事実および戦争指導内外政策上の問題点公表した。特に、全領土吹き荒れた大粛清契機となったセルゲイ・キーロフ暗殺に至る陰謀について詳細に明かされた。フルシチョフ秘密報告要旨以下の通りである(下記外部リンク参照共産主義者特有の言い回し随所登場するが、基本的にそのまま引用した)。 個人崇拝マルクスレーニンによって戒められていたにもかかわらずレーニン死後、党と国家の指導者となったスターリンは、自らを対象とした個人崇拝を許すどころか奨励し、党生活や社会主義建設重大な障害もたらした。 すでにレーニンスターリン指導者としての資質問題があることを指摘し、彼を書記長職から異動させることを提案していた。レーニン死後スターリンはこうしたレーニン忠告耳を傾けるそぶりを見せたため、彼はその後書記長職に留まった。だが彼はほどなく本性現し、党生活の規律無視して専横するに至った1934年第17回党大会選出され中央委員・同候補139名のうち、70パーセントにあたる98名が(主に大粛清の際)処刑された。党大会代議員全体見ても、1,966名のうち1,108名が同様の運命たどった。彼らに科せられた「反革命」の罪状は、その大半濡れ衣であったスターリン弾圧ソ連社会各方面活躍する活動家、さらにおびただしい数の無辜市民及んだ。彼らに科せられた「トロツキスト」「人民の敵」その他の罪状は、これまたでっちあげであったヒトラー権力掌握時からソビエト連邦への攻撃共産主義抹殺意図を隠さなかったにかかわらずスターリンはヒトラー・ドイツに対す防衛準備怠りそれどころ有能な多く軍事指導者をその地位から追放逮捕さらには処刑追いやった。大祖国戦争初期の戦闘において赤軍重大な敗退喫し兵士市民莫大な犠牲者生じた責任スターリンにある。 スターリン専横ぶりは、第二次世界大戦後ソ連社会主義兄弟国との関係にも悪影響及ぼした。その最も際立った重大な例はチトー率いユーゴスラビアとの関係悪化で、当時両国間に生じた問題は、同志間の話し合い解決できなかったものは何一つなかったのに、「俺が小指一本動かせばチトー消えてなくなる」と言い放ったスターリン傲慢な態度原因両国関係決裂しユーゴ敵対陣営追いやってしまったこうした個人崇拝政治局員たちが止められなかった理由は、スターリン大きな声望共感支持持っていたこと、抵抗すれば弾圧対象となったこと、政治局会議すらたまにしか開かれなかったこと、政治局員にも疑いの目が向けられていたことが挙げられる報告では、ガガーヴィチ、モロトフ、ヴォシーロフ、ミコヤンマレンコフスターリン協力者として登場していたが、その一方でモロトフ、ヴォシーロフ、ミコヤン弾圧を受けそうになった人でもあると指摘されている。さらに、フルシチョフブルガーニン粛清批判的な会話をしていたというエピソード盛り込まれた。しかし、フルシチョフ自分スターリンの下でどれだけ忠実に動いたのかを明言しなかった。大粛清積極的に加担し自身出世利用した点も考慮する必要があると言える(もっとも、スターリン生前は「NO」ということはすなわち「死」を意味することであり、一般国民だけでなく党や政府などスターリン仕え立場にあるものまで生命危険に晒されていた)。そして、演説最後はこの報告を党外や新聞洩らしてはいけないと強調したフルシチョフ秘密報告に対して、あまりの内容会場から声も出なかったという。発言通告はなかったと思われ大会議長務めていたブルガーニンが「個人崇拝の完全な克服」、「その諸結果一掃」、「党指導集団性厳密な実践」などの用意されていた決議提案し満場一致での採決確認したまた、フルシチョフ報告および決議公開せず党組織には伝達することを決議した。これで秘密会議終わり大会最後議事日程移った

※この「秘密報告の内容」の解説は、「スターリン批判」の解説の一部です。
「秘密報告の内容」を含む「スターリン批判」の記事については、「スターリン批判」の概要を参照ください。

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