物料投下とは? わかりやすく解説

物料投下

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 01:49 UTC 版)

空中投下」の記事における「物料投下」の解説

第二次世界大戦時点用いられていた輸送機は、いずれも貨客搭載口が胴体側面設けられており、開口部小さかったため、空中投下できる兵器機関銃軽迫撃砲などに限られた空挺兵がより強力な装備使用するためには、軍用グライダーや、あるいは輸送機強行着陸させて持ち込む必要があった。大戦後まもなく大型パラシュートプラットフォームによる重物投下方法開発されアメリカ空軍においては1948年フェアチャイルド C-119の実用化とともに重物投下が可能となった重物料の投下方法は、コンテナ用いるものとプラットホーム用いるものの2種類大別されこのため器材は、陸上自衛隊では重物料投下器材として装備化されている。 コンテナ投下方式Container Delivery System, CDS弾薬燃料糧食などの補給品や、比較軽量小型装備品250-1,000キロ)を投下容器収容して投下する方式。ここで使用されるのは直径19メートルの物料傘2号、または抽出傘を使用する場合もある。容器投下するとき、輸送機投下地点機首上げて機内の物料を滑り落とす「重力投下法」を行い連続して数個容器投下することができる。C-1では最大8個、最大総重量にして8トン、またC-130Hでは最大16個、最大総重量にして約13.9トンまで投下できる。 例え81mm迫撃砲弾薬投下する場合、1個あたりの梱包重量910キロ梱包時間は1個あたり15分とされるプラットホーム投下方式Platform Delivery System, PDS車両火砲アルミニウム製プラットホーム積載固縛し、投下物の重量に応じて物料傘(パラシュート)を1-3個装着して投下する方式投下の際には、まず直径約5メートル抽出傘を機外放出して開傘させ、その空気抵抗により、機内コンベア載っている重物料を機外引っ張り出して直径30メートルの物料傘を開傘し、降下する。ここで使用されるのは物料傘1号で、1個で1.6トン吊り下げ能力有しており、降下速度投下物の重さによって変わるものの、おおむね6-9メートル毎秒とされるC-1では最大で2個、最大総重量にして約8トン、またC-130Hでは最大で3個、最大総重量19トンまで投下できる。 例え1/2tトラック投下する場合梱包に約4時間、また投下後に開梱してエンジン始動するまでに約30分かかる。 ソビエト連邦では、プラットホーム落下傘とを結ぶ吊り帯に減速逆噴射ロケット装着して着地衝撃和らげるという工夫行っていた。またアメリカ軍では、輸送機着陸すれすれの超低高度・低速飛行させ、物料傘を装着せずに抽出傘のみで物料を引き出して地上降ろすという低高度パラシュート抽出システム (LAPES) を実用化したが、これも接地時の衝撃減らして極力破損避けるための工夫であった抽出傘により機内から引き出される貨物 抽出傘により機内から引き出されたのち、順次に物料傘が開いていく様子 重物料投下器材降下中の1/2tトラック LAPESにより投下される空挺戦車M551シェリダン) ただし、パラシュートによる投下では、風に流されて着地位置がずれるという問題がある。この問題に対してアメリカ軍ではGPS誘導導入した統合空中精密投下システム (JPADS) を開発しており、2007年には実戦投入した。通常の空中投下では輸送機地上との高度差が40010,000フィート (120–3,050 m)程度ところを飛行するに対して、JPADSを用いた投下場合25,000フィート (7,600 m)からでも精確投下可能であり、対空兵器による脅威低減できるというメリットもある。 一方心理戦用のビラや一部の人道支援物資投下場合は、衝撃考慮しないため、誘導装置どころかパラシュート装着しない投下する自由投下(Freedrop)が用いられる

※この「物料投下」の解説は、「空中投下」の解説の一部です。
「物料投下」を含む「空中投下」の記事については、「空中投下」の概要を参照ください。

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