災害廃棄物
別名:罹災廃棄物、り災廃棄物
地震や津波、火災などの災害に伴い発生する瓦礫などの廃棄物。震災により生じた災害廃棄物を「震災廃棄物」、洪水などによる災害廃棄物を「水害廃棄物」と呼称して区別する場合もある。
震災など大規模災害では、倒壊したため撤去される家屋から出る木材、コンクリート塊、瓦などが大量に発生する。一時的に増える(同時に収集も困難になる)生活ゴミや、避難所仮設トイレに溜まる屎尿なども災害廃棄物に含まれる。
兵庫県の報告によると、1995年の阪神・淡路大震災において県下の被災地全体で発生した災害廃棄物は、建築物関連の廃棄物と道路・鉄道などの廃棄物を合わせて約2000万トンに上ったとされる。撤去だけでも莫大な費用、膨大な労力が必要となり、都市復興に際して少なからぬ障壁となる。
なお、個人が災害廃棄物を処理する場合、罹災証明書(り災証明書)などの必要書類があれば、ごみ処理手数料が免除される場合がある。
関連サイト:
阪神・淡路大震災における災害廃棄物処理についての基礎情報 - 兵庫県 震災復興
災害廃棄物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 03:02 UTC 版)
「平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害」の記事における「災害廃棄物」の解説
まず阿武山の北西側には産廃物埋立処分地の玖谷埋立地があり、この土砂災害で被災し搬入道路も通行できなくなった。市は搬入路の確保とともに玖谷埋立地の復旧作業を行い、8月21日から再開している。 初日から業者が現場に入っていた。道路に関しては、市と道路維持管理契約していた業者が災害日である8月20日から撤去に着手している。ただ72時間の壁の最中、行方不明者捜索のため消防・警察・自衛隊以外の立入禁止エリアが広く設定されていたことに加えて、道路が入り組み住宅が立ち並んだ土地のため小型重機と手作業によって行われていた。 可部東五丁目。現場道路が狭いため小型ダンプ車で積替場に集められたあと、大型ダンプ車で1次仮置場へ運ばれた。 家庭で出た土嚢袋に入れた土砂は、被災ゴミと一緒に市環境局ができるかぎり運搬している。 72時間の壁以降になる8月23日、国交省TEC-FORCEと広島市で作業エリアの調整を行い、同日広島市の担当局部で土砂撤去役割分担が決まり、同日ボランティアの受け入れを開始し、8月26日から本格的な土砂撤去作業が始まった。狭いエリアのため、第三者災害(重機による人身事故など)が起こらないよう慎重に行われた。倒壊家屋については9月12日市が無償で撤去することを公表している。 役割分担道路上の土砂・がれき撤去は市道路交通局 宅地内の堆積土砂撤去は市下水道局 農地内の堆積土砂撤去は市経済観光局 家庭内のごみ収集、ごみ処理施設での処理は市環境局 事業ごみ収集はごみ収集運搬許可業者 具体的な処理は以下の通り。発災当初から環境省による指導のもと進められた。 土砂・流木・がれき・コンクリートがらなど空き地・公園・広島西飛行場跡地など、市内12か所に1次仮置場が設けられた。のち民家近くにあったものは苦情によって3か所閉鎖され、ほかの仮置場に移された。1次仮置場で粗分別してリサイクルできるものは業者へ送る。 1次仮置場から南区出島に作られた2次仮置場兼中間処理施設「広島港出島地区産廃物等埋立処分場」に送られ分別処理したあと、最終的な処理先で処分された。 被災ゴミ : 8月21日より、土砂撤去によってゴミ収集車が通行可能となったエリアから順次収集運搬作業を始めた。 被災大型ゴミ : 玖谷埋立地でいったん集め、破砕・分別などの作業が行われたのち、処理不適物は業者へ、可燃ごみは焼却工場へ送られた。 がれき撤去は、宅地は2014年12月中には完了、農地は2015年5月に完了している。農地対応が遅れた理由は、1.作業が農作物の収穫後ではないとできなかった、2.道路に面していない農地が多く運搬に手間取ったため時間を要した、としている。倒壊家屋の撤去は2015年5月まで実施された。被災した自動車やバイクの搬送台数は、車76台・バイク17台で、所有者による廃棄が車52台・バイク1台、残りは市が公示したのち所有者不明であった場合のみ市がリサイクル処分している。 選別時で発見された現金類・貴金属・個人情報関連物件などは遺失物法に基づき県警に通報、原型をとどめているものは洗浄後保管し、写真を役所に置いたりホームページで公開したりして、所有者への返還に努めている。2016年3月15日現在で129件が返却された。2017年8月現在で1,154点が返還できておらず、市は2018年3月末まで保管するとしている。 全工程の終了は2016年3月31日。最終的な災害廃棄物の発生総量は、52万2,144トン。うち土砂が50万140トンで、大半が出島地区第3工区での埋立材に用いられた。リサイクル率は99.1%。当初から国・県・市とで役割分担と連携強化が図られたため、結果的に最終処分までの工程の早期化につながった。
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