江戸時代後期の地方貨幣とは? わかりやすく解説

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江戸時代後期の地方貨幣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/18 16:15 UTC 版)

地方貨幣」の記事における「江戸時代後期の地方貨幣」の解説

天明4年1784年)に起こった天明の大飢饉契機領内救済理由に、同年11月仙台藩幕府鋳造申し出許可取り付けた仙臺通寳を始め安政3年1856年11月日米和親条約に伴う開港機に発行許可取り付けた箱館通寳が存在した。 さらに幕末文久2年1862年)、薩摩藩琉球救済名目に、3年年限つきで琉球通寳當百文銭発行申し出て許可されたが、これは藩財政建て直し目的とした天保通寳密鋳の隠れ蓑とて用意周到に準備されたものであった地方貨幣発行文久年間から幕末集中しており、海防充実などの幕府事業各藩への転化一揆などの騒動対策による藩財政逼迫地方における銭貨払底藩札信用低下による金属貨幣発行幕府権力低下による各藩独立体制進化、および朝廷による鋳銭宣下などが挙げられる東北地方度重なる冷害飢饉あえいだ一方で鉱山多く金属資源潤沢であったことから、幕末期盛岡藩および久保田藩中心に銀判および當百銅銭および鉛銭など、数多く貨幣が密鋳されたが、幕府には既にそれを取り締まる力はなかった。 そればかりでなく、財政難にあえぐ各藩による二分金一分銀一朱銀および天保通寳などの密鋳が横行し、特に天保通寳は密鋳によるもの流通高の約1/3~1/4を占めるに至った。これらは鋳造による出目の幅が大き名目貨幣であることが密鋳に拍車をかけ、銀台に金を鍍金したものや、亜鉛および鉛分多く含む銀貨など悪質なものが多く見受けられる。さらに寛永通寳についても公鋳銭を鋳写した鉄銭および鉛分多く含む銅銭などが古くから密鋳され、彷鋳銭ぼうちゅうせん)と呼ばれるこのような地方貨幣および彷鋳銭は密鋳故に覚書などの書類焼却されたものとみられ、古文書による記録史料乏しい。 また、領国貨幣中には後世による創作によると考えられる素性不確かな物も存在しそのような物も文化7年1810年刊行貨幣解説史料である『金銀図録』に掲載されており、玩賞品がんしょうひん)として扱われるものや、専門家の間でも議論分かれる物も存在する仙臺小槌銀および會津銀判などは通貨としては手の込んだつくりであり、量目および額面一般通貨との整合性見られないことから、流通目的というよりは祝鋳銭部類考えられている。さらに、膽澤開珎、加越能通用阿州通寳および土佐官券の類は試鋳貨幣とどまり現存も数品を数える様な稀少なものがほとんどであり、流通した形跡は全く確認されていない土佐藩寧ろ天保通寳の密鋳を大々的行い、試鋳はその擬装工作考えられるべきものである地方貨幣広く流通した考えられるのは仙臺通寳、箱館通寳、秋田鍔銭秋田波銭および琉球通寳ぐらいのものである現存数や現代古銭市場での価値見ても、仙臺通寳、箱館通寳は現存数が多いため現代古銭市場での価格も安いが、琉球通寳は数千円以上、それ以外のもの全体的に現存数が少ないため数万円あるいは数十万円上のオーダー取引されている。 また藩札および旗本札なども地方貨幣部類に入るものであり、これらは広く流通し特に銀札江戸時代後期流通高が減少した丁銀などの秤量銀貨代役務め銀目取引主導権握った

※この「江戸時代後期の地方貨幣」の解説は、「地方貨幣」の解説の一部です。
「江戸時代後期の地方貨幣」を含む「地方貨幣」の記事については、「地方貨幣」の概要を参照ください。

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