歴史的な建物と場所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 09:25 UTC 版)
「サラソータ (フロリダ州)」の記事における「歴史的な建物と場所」の解説
20世紀の終わりまでに市内の多くの歴史ある建物が解体されてきた。集合住宅の建設で湾沿いにあったウィテカー家の敷地全てが消し去られた。タミアミ・トレイルの東には彼等の墓地が残され、アメリカ独立戦争の娘達が所有している。市が所有するパイオニア公園の隣である。近年、クロッカー教会とビッドウェル・ウッド邸の2つが市の資産になった。ビッドウェル・ウッド邸は市内に残る最古の建造物である。ベロニカ・モーガンが設立したサラソータ歴史保存同盟のメンバーと主にモーガンがまず修復した。サラソータ郡歴史協会がその移管を手配した。これら建造物は市の公園に移設されたが、公園のスペースが減るという住民の反対の声もあった。過去10年間の腐朽のために再度の修復が必要とされている。 1970年代後半、サラソータ郡はチャールズ・リングリングが建設したテラス・ホテルを買収し、修復して郡政府ビルとして使っている。この建物と隣接する郡庁舎は1921年にできたサラソータ郡に寄付されたものであり、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている。郡庁舎はドワイト・ジェイムズ・バウムが設計した。 次の10年間で、オーウェン・バーンズが建設したランドマーク的ホテルであるエル・バーノナが、アパートに転換されていたが危険な状態になった。この時までにジョン・リングリング・タワーズと呼ばれ、リン鉱山主ガーディナーが買収し、それを本社にしようとしていた。テナント契約が解消され、建物の改修計画が立てられた。市政委員会は当初その計画を支持していたが、計画に反対するロビー活動が起こり、市政委員の1人が反対に回った。最終聴聞で計画は否決された。怒ったガーディナーは市を出て行き、それを引き継いだ者が解体しようとして派手な変更を施し、魅力無いものにした後、最後は放浪者が侵入したり、こそ泥の入るままとされていた。 この建物を保存するための町の運動が始まった。その中にはオーウェン・バーンズの不動産事務所があり、カール・ビッケルの家として使うために改修されていた。歴史保存組織であるサラソータ歴史保存同盟がベロニカ・モーガンによって設立され、この建物を救い、町全体の歴史保存を推進した。その努力に町の多くの建築家の援助もあり、ホテル開発グループが土地と構造物2件を買収し、アメリカ合衆国国家歴史登録財に登録したが、この資産に入札していた別の開発業者から訴訟を起こされた。法廷闘争の結果はホテル開発グループの敗訴となった。最後は2つの建物とも解体された。 1990年代には保存が成功した例もあった。トマス・リード・マーティンとクラレンス・A・マーティンが設計した展示場である市民会館がアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録され、世界恐慌から回復する時代だった1937年に公共事業促進局が完成させた状態に、内面も外面も念入りに改修された。この施設を年間10万人が利用し、様々な行事が開催されている。その後、ジョージ・アルビー・フリーマンとルイス・A・サイモンが設計した連邦ビルも改修された。 1920年代の好況期にサラソータ湾北岸に建設された豪華な住居の大半も生き残ってきた。この建築群は湾の一番広い部分に沿った高台の大きな敷地に建設されており、その中心にジョン・アンド・メイブル・リングリング美術館がある。その中にはジョンとメイブル・リングリングの邸宅だったサ・ドザンもあり、ビル・ピュイグの支持で近年改修された。 しかし、20世紀半ばという比較的新しい時代のサラソータ建築学派に属する重要な建物が残っていない。それらは歴史保護の対象とするには新しく、一般の認識から外れることが多い。それらの文化的歴史的重要性を考慮されることなく、新しい開発計画のために解体される危険性が多い。ただし構造を残して新しい計画に統合する事が訴えられている。 2006年、サラソータ郡教育委員会はポール・ルドルフの最大の建造物であるリバービュー高校の解体を決めた。建築家、歴史保護家、都市計画家を含む多くの市民から反対の声が挙がったが、委員会はその結論に達した。その構造はこれ以上機能しないと考えた者は賛成した。賛否が大きく分かれた。ワールド・モニュメント財団はこの学校を、「2008年最も危険なサイト100件のリスト」で「メインストリート・モダン」のカテゴリーに入れた。 サラソータの町ではルドルフの建築に対する評価が分かれたが、国際的な美術界ではそうではなかった。ニューアーバニストの計画家で建築家のアンドレス・デュアニーは、学校の保存を強く支持した。2007年1月の大衆集会で、歴史保存運動の指導者カフィ・ベンズに計画について問われると、デュアニーは、解体を認めれば、サラソータ市は芸術の中心としての国際的な位置づけを失うことになると答えた。この歴史ある建物は学校全体の主要な構造物であり、プラネタリウムもあった。この高校を全国歴史保存信託の国内で最も危険性のある歴史建造物リストに入れる提案があった。 全国歴史保存信託が行った2007年3月のシャレットに続いてルドルフの建物を改修し保存する提案が進行した。教育委員会は提案された改修保存計画を検討するために1年間の猶予期間を決めた。その計画には構造物を解体するよりも、その上に運動場のある駐車場を建設する案もあった。 2008年6月初旬、教育委員会は学校を解体し、そのあとに駐車場を作ることを発表した。1年後の2009年6月、リバービュー高校が解体された。
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