日本軍玉砕大本営発表・アメリカ国内での反響とは? わかりやすく解説

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日本軍玉砕大本営発表・アメリカ国内での反響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 17:00 UTC 版)

硫黄島の戦い」の記事における「日本軍玉砕大本営発表・アメリカ国内での反響」の解説

3月初めに飛行場機能は殆ど完成しており、3月4日東京空襲損傷したアメリカ軍B-29爆撃機「ダイナ・マイト」号が、両軍砲火の中で緊急着陸成功し補修燃料補給受けた。これが、硫黄島不時着した最初B-29である。3月6日には、機能回復した硫黄島飛行場最初P-51戦闘機部隊進出した3月15日日本時間)、アメリカ軍硫黄島の完全占領発表した。また3月21日日本大本営硫黄島守備隊玉砕発表した。「戦局ツヒニ最後関頭直面シ、17日夜半ヲ期シ最高指導官ヲ陣頭皇国必勝安泰トヲ祈念シツツ全員壮烈ナル総攻撃敢行ストノ打電アリ。通爾後通信絶ユ。コノ硫黄島守備隊玉砕ヲ、一億国民模範トスヘシ。」 硫黄島でのアメリカ軍甚大な損失対しアメリカ本国ではこれまでには見られなかった反響見られた。硫黄島の戦いよりは遙かに大規模であったノルマンディー上陸作戦や、アメリカ軍多大な損害被ったバルジの戦いなどではアメリカ軍活躍でかでか報道されアメリカ国民有頂天となったが、硫黄島の戦いについてはその苦戦ぶりがアメリカ国民衝撃与えている。雑誌タイム記事で「硫黄島の名前はアメリカ史上、アメリカ独立戦争でのバレーフォージ南北戦争でのゲティスバーグ今次大戦でのタラワ島並んで銘記されであろう」と報じている。 このアメリカ国内での反響を、マッカーサーシンパなどアメリカ陸軍ロビイスト必要以上に煽りアメリカ陸軍の評価向上に利用している。マッカーサーフィリピン失った兵員数は、フィリピンの戦い (1941-1942年)で146,000人(戦死25,000人、戦傷21,000人、捕虜100,000人)、フィリピンの戦い (1944-1945年)でも、アメリカ兵死傷者78,824人、フィリピン正規軍ユサッフェ)の戦死者57,000人(戦傷者不明) と硫黄島での損害遥かに上回っていたのにも関わらずあたかもマッカーサー有能な様に喧伝されて、ニミッツ指揮能力に対して批判激化していた。 サンフランシスコ・エグザミナー紙は「マッカーサー将軍作戦では、このような事はなかった」などと事実反す記事載せ、その記事で「マッカーサー将軍は、アメリカ最高の戦略家で最も成功した戦略家である」「太平洋戦争マッカーサー将軍のような戦略家持ったことは、アメリカにとって幸運であった」「しかしなぜ、マッカーサー将軍をもっと重用しないのか。そして、なぜアメリカ軍尊い命を必要以上に失うことなく多く戦いに勝つことができる軍事的天才を、最高度に利用しないのか」と褒めちぎった。なお、マッカーサー自身硫黄島沖縄戦略的な重要性を全く理解しておらず「これらの島は敵を敗北させるために必要ない」「これらの島はどれも、島自体には我々の主要な前進基地になれるような利点はない」と述べている。 この記事に対して多く海兵隊員激怒し休暇アメリカ国内にいた海兵隊員100余りサンフランシスコ・エグザミナー紙の編集部乱入して編集長記事撤回謝罪文掲載要求した編集長社主ウィリアム・ランドルフ・ハースト命令によって仕方なくこのような記事載せた白状し海兵隊員ハースト謝罪要求しようとしたが、そこに通報警察海兵隊警邏隊が駆けつけて、一同解散させられた。しかし、この乱入によって海兵隊員たちが何らかの罪に問われることはなかった。その後サンフランシスコ・クロニクル紙がマッカーサーニミッツ作戦比較する論調対す批判記事掲載し、「アメリカ海兵隊、あるいは世界各地戦場戦っているどの軍でも、アメリカ本国批判の的にたたされようとしているとき、本紙だまっていられない」という立場表明してアメリカ海軍海兵隊擁護したちなみにサンフランシスコ・クロニクル紙の社主タッカー一人息子であったヨン・R・タッカー海兵中尉として硫黄島の戦い戦死している。 連合国遠征軍最高司令官として史上最大の作戦とも呼ばれたノルマンディ上陸作戦指揮したドワイト・D・アイゼンハワーは、1952年次期大統領として硫黄島訪れたが、不毛狭小な硫黄島と「広く開放的な空間であったノルマンディ海岸とを比較し、この小さな島60,000人もの海兵上陸して戦闘したことに驚愕して「こんな制約され地形で、そんな規模戦い思い描くことはできない」との感想抱き、かつての上であったマッカーサー硫黄島での作戦批判していたことにも触れて彼には(このような戦闘を)なかなか理解できなかったのだろう」と述べている。 硫黄島の戦い27人のアメリカ軍兵士海兵隊22人、海軍5人)がメダル・オブ・オナー受勲英語版)したが、これは第二次世界大戦アメリカ軍兵士受勲したメダル・オブ・オナー英語版472人の5.7%を占めアメリカ海兵隊に限れば22人の受勲者合計82人のうちの25%以上を占めるといった、激戦物語多く受勲者を出すこととなったアメリカ軍戦闘消耗率は全部隊の30%、特に各海兵師団損害大きく第3海兵師団60%、第4海兵師団75%、第5海兵師団75%にも達している。

※この「日本軍玉砕大本営発表・アメリカ国内での反響」の解説は、「硫黄島の戦い」の解説の一部です。
「日本軍玉砕大本営発表・アメリカ国内での反響」を含む「硫黄島の戦い」の記事については、「硫黄島の戦い」の概要を参照ください。

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