日本語版の出版延期問題とは? わかりやすく解説

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日本語版の出版延期問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 09:02 UTC 版)

ザ・レイプ・オブ・南京」の記事における「日本語版の出版延期問題」の解説

日本語版の出版にあたっては、原著出版直後日本での翻訳出版権得た柏書房が、「解説書」を同梱出版しようとした後に、柏書房出版中止した。この出版中止について朝日新聞社英字紙である「アサヒ・イブニング・ニュース」(1999年2月19日付)は「本の製作を中止したのち、柏書房語ったところによれば、手紙のうちの一通極右グループの構成員を名乗る男からのものであった。」と報じた同趣旨の報道は「ロサンゼルス・タイムズ」でもなされたチャン自身も「そのような動きは、日本右翼組織脅迫によって動機付けられたものと疑っている」と主張した。しかし、柏書房芳賀啓編集長は、出版延期右翼脅しよるものではなく著者出版妨害であると語った。その理由について、柏書房は、チャン事実誤認訂正拒否したためであると主張したアイリス・チャン母親である張盈盈は、アイリス・チャン思い出をつづる本でこの事情次のように主張している。 柏書房1998年春ごろに翻訳版の版権取得したが、何人かの歴史家教授翻訳書批評拒否されそのうち少なくとも一人は「得体しれない組織」から家族へ脅迫受けているのがその理由だったと聞いた。また本書版権取得したことについて、柏書房脅迫されているという噂が流れたそのような状況下で、1998年8月柏書房アイリス・チャン本書の内容訂正求め始め10月訂正箇所リスト送ってきた。アイリス・チャンがそれを精査したところ、その要求主要部分誤りの訂正ではなく事件に関する解釈押しつけであると判断されたために、単純なスペルミスなどの些細な10か所の誤りの訂正認めそれ以外訂正については断ることにして、その点を説明する覚書柏書房送ったその後柏書房一部写真削除後書き追加などを求めたが、いずれも同意できる内容ではなかったので、認めなかった。訂正要求についてアイリス・チャンは、たとえば盧溝橋事件における日本軍役割解釈など、柏書房側が訂正した解釈のほうに誤りがあると考えていた。 1999年2月に、アイリス・チャン日本記者から電話インタビューされ柏書房同梱本書に関する批判書添付しようとしている事実知り、その点についてアメリカ側出版社確認依頼していたところ、柏書房出版断念するという発表をした。この件について、柏書房芳賀啓編集長AP通信社取材対し1999年2月記事で、出版社原作書物批判する書物同梱することについて、元の書物著者相談する義務はないと述べたという。 なお、この時に訂正求めリスト批判書制作重要な部分担当した人たちは、南京大虐殺について1970年代から調査研究している「南京事件調査研究会」という組織加入メンバーであり、日本では南京大虐殺積極的な肯定派受け取られている人々である。彼らが、柏書房芳賀啓編集長通して著者アイリス・チャン訂正等を求めた理由として説明したものは、次のような論理であったという。 日本保守的なグループは、南京大虐殺が全く存在していなかったと主張している。そのやり方は、南京大虐殺に関する記事些末ミスあげつらい、その錯誤をもって全体事実否定印象付けようとするのである。これに対抗するために、日本語出版では、すべての誤り除去したいのだ。 張盈盈は、この出版頓挫出来事経緯から、日本における右翼的な勢力圧力が非常に大きいことをうかがい知ることができると主張している。 同書2007年12月同時代社 (巫召 訳)から出版された。邦題は『ザ・レイプ・オブ・南京第二次世界大戦忘れられホロコースト』である。

※この「日本語版の出版延期問題」の解説は、「ザ・レイプ・オブ・南京」の解説の一部です。
「日本語版の出版延期問題」を含む「ザ・レイプ・オブ・南京」の記事については、「ザ・レイプ・オブ・南京」の概要を参照ください。

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