日本のフリースクールの特色
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「フリースクール」の記事における「日本のフリースクールの特色」の解説
日本では、デモクラティック・スクールをはじめ、シュタイナー学校、デンマークの生涯学習の基盤となっているフォルケホイスコーレなど、ヨーロッパ新教育運動の流れを受け継ぐ学校が一部にあるが、専ら、不登校児童生徒の学びの場として、その学習権の保障や安心してすごせる居場所を提供する施設、さらに、通信制高校での学習をサポートするサポート校など、不登校の子供を対象とした、既存の学校とは異なる機関や施設が、フリースクールと総称されている。 こうしたフリースクールの規模や活動内容はきわめて多様であって、マンションや事務所ビルの一室を借り、スタッフや子供を合わせても10人に満たないようなものから、在籍数が100人を超える大規模なものまであり、教育レベルに大きく差があるのが現状である。 教育(活動)内容は、子供の自主性を尊重し、スタッフと子どもが対等な立場で民主的に活動内容を決定するものが主流だが、既存の学校のようなカリキュラムを持ち、スタッフ(教師)が主体となって、「規則正しい生活」や学習をさせる施設もある[要出典]。また、サポート校では、通信制高校のカリキュラムにしたがって「授業」が行われ、制服や時間割、部活動、各種の学校行事などもあり、一般の学校とほとんど変わらない。フリースクールの基本的な運営指針は、こども中心の運営を行ってゆくというところにある。よって、学習内容は一方的に大人によって一方的に決められるのではなく、こども個人との間で相談しながら決められる。場合によっては経営についても、こどもの意見が反映されるフリースクールも存在している。「教育の主体はこどもである」という理念を徹底している。 反面、不登校の子どもが通う所がフリースクールであるという外見的な理解をする団体が、進学を行うための私塾や通信制高校の学習サポートを行う場所をフリースクールと自称で呼ぶ場合もある。運営方針等の確認を行って参加することが必要な団体もある。 ほとんどのフリースクールは、学校教育法1条に定める学校の要件に該当せず、私立学校設立のハードルが高いこともあって、正規の学校としての認可を受けておらず、運営者やスタッフは教員免許すら不要な場合が多い。しかし1992年からは小中学校において、2009年からは高校において在籍する学校の校長の裁量により、フリースクール等の民間施設に通った期間を、学習指導要録上出席扱いすることができるようになり、進級・卒業も可能である(ただし、学校によっては不認定の場合もありえる)。また、正規の学校から卒業資格が得られなかった場合でも、中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業程度認定試験に合格すれば、進学や就職の出願条件を満たすことができる。 日本の多くのフリースクールは不登校の増加に伴って増えてきている。 2001年フリースクール全国ネットワーク設立とともに、互いのノウハウを共有し、全国で小さな学び場(学校)として広がる フリースクールの対象年齢は、当初、小中学生の学齢期の子どもが中心であったが、しだいに高校生以上の年齢にも拡大され、さらに、フリースクールの精神による大学として、東京シューレを母体に20代の若者たちが作るシューレ大学が1999年に設立された。
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