日本のガールズグループ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 23:55 UTC 版)
「ガール・グループ」の記事における「日本のガールズグループ」の解説
日本の背景全世界の音楽売上高の50%前後がアメリカ合衆国と日本のみでまかなわれる中で、アメリカと違い他国にはほとんど輸出されずにほぼ100%自給自足される日本の音楽は、街頭スカウトや公開オーディションによるルックス先行の表面性や、海外アーティストを受け付けない排他性、あるいはyoutube等の世界配信を徹底的に排除する閉鎖性について、独特であって異質であり、常に世界のエンターテイメント界の注目の的となっている。 売上高に対する音楽CDの売上枚数からいえば、各個が飛びぬけて高価であって高品位、高品質であるといえる音楽でありながら、全く世界にシェアと知名度を持たない保護し優遇された日本特有の音楽である。 公開オーデションテレビ番組との連動日本のガールズグループは、テレビの創生期である1960年代の双子のデュオ「ザ・ピーナッツ」にはじまり、カラーテレビの普及が完了した1970年代の「ピンク・レディー(デュオ)」や「キャンディーズ(トリオ)」、あるいは家庭用のビデオが普及した1980年代の「おニャン子クラブ(コーラスグループ)」や「WINK(デュオ)」、レコードからCDに移り変わった1990年代の「SPEED(カルテット)」や「モーニング娘。」など、戦後から現在に至るまで、マスコミメディアの発展と共に、常に日本のポピュラー音楽界を主導し、日本の芸能文化を特徴づける位置づけにあった。 そのうち特に、「ピンク・レディー」や「おニャン子クラブ」、「モーニング娘。」については、当時人気の公開オーデションテレビ番組(スター誕生!、夕やけニャンニャン、ASAYAN)を下支えに、コーラスと共に固定的な振り付けのダンスを行うというマルチ感がワンセットとなって紹介され、その相乗効果によって爆発的に人気を博し、世相を映し出す社会現象に至るまでになっている。そういった女性POPグループの輩出のされ方は、世界に類を見ない日本の音楽業界独自の特徴であって、更には、協調性や平均化を重視してカリスマやリーダーシップを作らない、日本の国民性の象徴ともされている。 マスゲームダンス1990年代後半以降、写真や水着オーデションされるルックス先行の表面的なアイドル文化や、アジア特有のマスゲームダンス(同じ振付を大勢で合わせる踊り)に特徴を持つ「J-POP」の評価が、もともとそれを文化としていた朝鮮半島や中国といったアジア地域でも馴染み易いものとして受け入れられてくると、ダンスに重点を置くSPEEDや、メンバーの組合せの妙を狙うモーニング娘。、あるいはスター性を排除し、ファンとの連帯感を持ち味として馴染みやすさを強調するAKB48といった、アジアン向けの日本のガール・グループが次々と量産されるようになった。現在、60人以上のメンバーがいるAKB48は、団体行動を基調とするアジア芸能文化の独自性への好奇の目も手伝い、最も人数の多いポップ・グループとしてギネス世界記録に認定されている。 オリコンの統計によれば、2000年代に台頭したモーニング娘。が日本における女性グループの売り上げ首位に立っており、1990年代を活動の中心とするSPEEDは、デビューから解散までの13年間に、日本国内だけで累計2000万枚の音楽CDを売っている。2000年代前半から活動するPerfumeも成功したガール・グループのひとつであり、その音楽のスタイルは、エレクトロニック・ダンス・ポップに焦点を当て、より西欧的な音楽を類似させたものとなっている。 2010年代になって、AKB48の成功を軸に、それを派生させたり差別化させる兆候の中で、よりファンとの親密性や連帯感、等身性を狙ったももいろクローバーZや、人気アニメーションテレビ番組「けいおん」と連動したガールズバンド、スキャンダルも、注目され始めている。 尚、日本特有の狭義でのガールズグループや女性デュオ、女性トリオ、女性コーラスグループ、バラエティーアイドルは、「女性アイドルグループ」を参照。
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