日本の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/02 23:10 UTC 版)
日本の裁判官が政策形成や違憲判断に消極的なのは、以下の制度要因に起因するという。 職歴(他の経験が少ない)裁判官は、裁判所以外での経験が少なく、政策形成の経験を積む機会が少ない。 任期(判断が、自身の将来に影響する)裁判官は約3年の短い周期で異動する。異動先には人気のある場所とない場所(例えば都会と地方では、都会の方が人気があるという)があるが、違憲判決を出すなどした裁判官は、人気のない場所に異動しやすく、その際の任期も長めになる傾向があるという。 内閣法制局の存在官庁が作成する法案は内閣法制局の審査をクリアしてから国会に提出される。この審査の際に法案に違憲の可能性があるかどうかを厳しくチェックする。事前のチェック機能があるため、そもそも違憲となる法律ができづらい。なお、この流れに乗らない議員立法の方が裁判所からの指摘が多いという。 一方で、日本の裁判官が消極的なのは違憲立法審査権についてであり、私法においては積極的に判断を行っているという。その流れは江戸時代までさかのぼることができる。戦後も、女性の労働問題(結婚退職の強要、退職年齢の男女差など)や公害問題(企業へ無過失責任の証明を求める)などにおいて、裁判所は行政府に先んじて問題解決のための判決を下しており、法律は判決の後追いをする状況になっている。
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