文化層とは? わかりやすく解説

遺物包含層

(文化層 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/21 14:25 UTC 版)

青森県青森市三内丸山遺跡の遺物包含層の断ち割り展示。土器片などの遺物が土層断面から突き出している。
鹿児島県霧島市上野原遺跡の土層標本。遺物や遺構が含まれる層位が「遺物包含層」にあたる。

遺物包含層(いぶつほうがんそう)とは、考古学用語の1つで、土地に堆積した土層のうち、土器石器などの考古資料遺物)を包含する(内部に含んでいる)層のこと。いわゆる遺跡のある土地(周知の埋蔵文化財包蔵地)を構成する土層であり、それ自体が重要な考古資料である。

概要

岩陰遺跡洞窟遺跡などにおいて、竪穴建物跡のような有形の遺構が形成されない場合、遺物包含層がそのまま遺跡となる。地表面で確認できる遺物散布地(遺物散列地)に対する語。遺物包含地ともいう。

文化層とも同義であるが、文化層は特に遺構を伴う土層という意味合いを含むことがあるとされる[1]

明治時代から用いられている語であるが、今日では、「後世の撹乱がない遺物を含む土層」という意味合いで用いられることが多い。

考古学と、その主たる研究方法である発掘調査の技術的進歩により確立された、層位学的研究法から生じた概念である。

脚注

  1. ^ 文化庁 2010, pp. 94.

参考文献

関連項目


文化層

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 06:25 UTC 版)

ハラッパー」の記事における「文化層」の解説

紀元前3300年~同1700年前後わたって居住確認され、古い順から、ラーヴィー期、コト・ディジ期、インダス文明期、変移期、H墓地期の5期にわたる文化層が確認されている。 ラーヴィー期の集落は、遺跡北側下層から発見され手づくね多彩土器を伴うのが特徴である。すでに紅玉髄や凍石製ビーズ生産行っていて、後のインダス文字起源考えられる文字土器表面線刻されている。コト・ディジ期になると、遺跡南東部などに集落拡大し周壁築かれるうになるインダス文明期になると、「城塞」と城門によって隔てられ二つ「市街地」区分け明確になり、さらに「城塞」の北側には、床面積800m2強の2列にならんだ「穀物倉」と、径3.5mの「円形作業台18基などが造られる。「円形作業台」の中央には、木製の臼をおいて作業をしたと推定され脱穀場という説もある。「穀物倉」と呼ばれる建物湿気のある川に近く穀物形跡発見されていないため、現在では他の用途使われたと考えられている。現地遺跡にある案内板には、初期学者穀物倉と推定した証拠発見されていないと書かれている。 「城塞」は、南北400m東西200南北方向長い平行四辺形で、「城壁」は、焼成煉瓦で被われた日干し煉瓦築かれ、その基部厚さは12m、北西南東の隅に「見張り台」を置き、北側西側に「城門」を設けている。 「城塞」の南側150200m地点には、土坑墓からなるR37墓地営まれた。焼成煉瓦多用しインダス土器一式のほか印章や、紅玉髄始めとする各種貴石ビーズ類が出土している。 R37墓地北側には、H墓地があり、H墓地文化英語版)、後ハラッパー文化標式遺跡として知られる

※この「文化層」の解説は、「ハラッパー」の解説の一部です。
「文化層」を含む「ハラッパー」の記事については、「ハラッパー」の概要を参照ください。

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