主著『古日本の文化層』
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ウィーン大学へ提出した博士論文『古日本の文化層』は、当時のウィーン学派民族学の手法をベースに、先史・考古学、言語学、宗教学、形質人類学、神話学の手法を併せて日本の基層文化を論じた、5巻1452ページに及ぶ畢生の大著であり、寡作だった岡にとっては、まさに代表作と言える。現在に至るも邦訳はないが、2012年にドイツ語原文で出版された。戦後の1948年(昭和24年)5月4日から6日にかけて、東京神田の喫茶店2階で行なわれた、民族学者の石田英一郎や考古学者の江上波夫及び八幡一郎らとの座談会の内容をまとめた『日本民族の起源』は、岡の論文の内容を基礎として展開されている。また、住谷一彦が、岡の論文の目次部分を邦訳して簡単な紹介を加えている。論文『古日本の文化層』のドイツ語訳を手伝ったアレクサンダー・スラヴィクは、岡の問題意識や方法論に大きな影響を受け、『古朝鮮の文化層』という題の論文を提出し、博士号を取っている。
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