教訓・政治文学とは? わかりやすく解説

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教訓・政治文学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 09:35 UTC 版)

エジプト中王国」の記事における「教訓・政治文学」の解説

中王国時代文学作品はしばし政治的なプロパガンダ宣伝)を目的とするものであったとされる書記達は王と密接に結びついており、彼らを読者として想定した作品群は王の意向色濃く滲ませたものとなったとされるフランスエジプト学者ポズネールは、第12王朝時代成立した文学は王の利害と密接に結びつき政治宣伝目的したものであると指摘している。 こうした文学作品の中で代表的な物は『シヌヘの物語』、『ネフェルティの予言』、『アメンエムハト1世教訓』などであり、いずれも政治的傾向強く持った作品となっている。 『ネフェルティの予言』は、遥か昔の古王国時代第12王朝創設者アメンエムハト1世救済者として現れることが予言されていたと記す事後予言体裁を取る物語である。全体三部構成され第1部では物語の舞台としてのスネフェル王の宮廷で、ネフェルティが予言を語るに至った経緯を語る。第2部では(古王国から見て将来訪れ混乱無秩序時代描写され、その悲惨さ述べられる第3部で、南方よりきたアメニアメンエムハト1世)が秩序確立し国土救済される様が予言されるというものである。 『アメンエムハト1世教訓』は、暗殺されアメンエムハト1世センウセルト1世王者として注意すべきことを語るという体裁をとっており、文書形式は墓などに刻まれる自伝に近いと言われる。ここでアメンエムハト1世が語る内容は、ある程度実例沿っているともいわれ、非常に厳し内容である。冒頭呼びかけの後「臣下の前では注意せよ。彼らは無に等しい者であり、その尊敬など気にかける要は無い。一人で彼らに近づいてはならない兄弟信頼するな。友人を知るな。腹心作るな。何にもならぬからだ。」と始まり、いかに他人信頼できないかが述べられる。その根拠としてアメンエムハト1世は、自分引き立てた者達が自分に対して反乱起こしたことを述べている。また、アメンエムハト1世暗殺が行われた状況生々しく記録されており、それによればアメンエムハト1世夕方一時間余り休養をとって寝台に横になっていた所、衛兵によって襲われた。彼は激しく抵抗したものの武器無く遂に殺害されのであるまた、中王国時代には教訓文学呼ばれる多数作品作られた。第1中間期通じて各地勢力延ばした州侯その他の有力者達は、中王国覇権認めてはいても無視できない力を持っていた。第11王朝メンチュヘテプ2世はその指導力持って彼らの地位奪い自分意のままになる人物固めようとしたし、第12王朝においても中央集権化のために長期的な努力が行われたと見られている。中央集権化地方有力者への対抗上、官僚機構整備急務となった。そのため上述のように書記養成学校政府によって用意され第1中間期の「社会革命」を通じて生まれていた富裕の子弟等を対象教育施された。彼らは子供長期間学校行かせることが可能な経済力持ち地方有力者の子弟よりも王への忠誠心持たせやすいと考えられのである。 『ケミイトの書』や『ドゥアケティの教訓』と呼ばれる作品である。どちらも書記養成学校における教科書として使用するために作られ作品である。『ケミイトの書』は書記になるために必要な知識初学者教えるためのもので、書簡を書く際の書式慣用表現生活態度などを記したのである。 『ドゥアケティの教訓』は、職人農夫洗濯屋など様々な職業辛さ惨めさ列挙するとともに、こういった職業についている子弟対象家業を継ぐよりは書記になったほうがよほど良い生活を送ることができるという説明をするもので、書記養成学校庶民の子弟を勧誘する事を重視している点が特徴である。 他に『忠臣教訓』や『ある男教訓』などの作品残されており、こちらは一般庶民の子弟を対象に王に対す忠誠とそれによって得られる物質的利益説明する物である。

※この「教訓・政治文学」の解説は、「エジプト中王国」の解説の一部です。
「教訓・政治文学」を含む「エジプト中王国」の記事については、「エジプト中王国」の概要を参照ください。

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