捕虜殺害の論争例:幕府山事件とは? わかりやすく解説

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捕虜殺害の論争例:幕府山事件(山田支隊の捕虜処断)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 20:12 UTC 版)

南京事件論争」の記事における「捕虜殺害の論争例:幕府山事件(山田支隊捕虜処断)」の解説

第13師団65連隊主力した山田支隊長・山田栴二少将)は、1937年12月13日15日にかけて、烏龍山砲台、幕府山砲台その他掃討地域で14777名以上の捕虜捕獲し幕府山にあった国民党軍兵舎収容した1937年12月17日付『東京朝日新聞朝刊には、「持余す捕虜大漁、廿二棟鮨詰め食糧難苦労の種」という見出し記事掲載されている。山田少将軍上層部処置問い合わせたところ、殺害するように命令受けた。この多数捕虜処置について、殺害数や殺害理由が、戦時国際法上で合法かについて議論される幕府山事件とも言われる自衛発砲説 自衛発砲説とは、当時、第65連隊長だった両角業作大佐(当時)の地元新聞からの取材対す回答戦後本人纏めた思われる手記基づいた見解で、虐殺少数で、戦時国際法上、合法主張する両角手記によれば捕らえた捕虜は15300余名であったが、非戦闘員抽出し解放した結果8000程度幕府山南側十数棟の建物収容した給養のため炊事をした際に火災となり、混乱によって半数逃亡した軍上層部より山田少将捕虜殺害するように督促がなされ、山田少将両角大佐捕虜処分するよう命令する両角大佐はこの命令反し夜陰乗じて捕虜長江対岸へ逃がすことを部下命じた長江渡河最初の船が対岸進んだところ、対岸より機関銃による攻撃受けた渡河待っていた残り捕虜は、この攻撃の音を自分たちを江上殺害するものと錯覚し暴動となった為、やむ得ず銃火をもって制止しその結果僅少死者出し、他は逃亡した。但し、これは責任者ともいうべき両角業作自身戦後地元紙のインタビュー応じた時に初め公に言い始め新聞記載され弁明元に、それを単純に本当のこと語っているとすることで成立する説である。また、それだけ捕虜逃すための舟を確保した形跡がない等、下記小野賢二説など否定説も強い。 小野賢二説 小野賢二は、歩兵第65連隊の元将兵対す聞き取り調査結果証言数約200本、陣中日記24冊、証言ビデオ10本およびその他資料入手し、これらの資料を基に、自衛発砲説には一次資料による裏づけが無いと批判、以下のような調査結果発表する山田支隊捕らえた捕虜は、12月13日14日にかけて烏龍山・幕府山各砲台付近で14777名、その後掃討戦における捕虜合わせる総数17000〜18000名になった。この捕虜幕府山南側22棟の兵舎収容する12月16日昼頃収容所火災となるが捕虜逃亡はなかった。この夜、軍命令により長江岸の魚雷営で20003000人が虐殺され長江流される12月17日夕〜18日朝、残り捕虜長江岸の大湾子で虐殺した同日は、魚雷営でも捕虜虐殺が行われた可能性がある。山田支隊は、18日19日にかけて死体の処理を行った小野は、山田支隊による一連の捕虜虐殺を、長勇参謀一人による独断や、山田少将による独断ではなく、軍命令によって計画的組織的に実行されたものであり、この命令受けた山田支隊は、準備行動一貫して捕虜殺害行ったことが証言陣中日記などで実証されているとし、自衛発砲説成立しない戦時国際法上は違法)と断じた。 この小野説は、南京事件調査研究会などにおいて支持されている。ただし、小野賢二発掘した日記群は重要でない2名を除いて残り全て仮名であることは踏まえておかなければならない

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