批判および問題点の指摘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:26 UTC 版)
「NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」」の記事における「批判および問題点の指摘」の解説
番組で証言した柯徳三 は、「(NHKには)八田與一のことや後藤新平のことなどもいろいろ話したのに、そこを全部カットした。同窓会の改まった席で誰かが火ぶたを切って不満を話した部分だけが放映され、あたかもあそこにいた人全員が反日的であるかのように宣伝された」と批判。又「あくまでも日本は私のお母さんで、育ててくれた恩義を感じています。あそこに出た皆が怒っているのは、日本が、養子にした台湾を終戦後にポンと捨てて蔣介石にやってしまったことです。それに対して、日本からはすまなかったの一言もない。(極論すれば、)恨み言の根底は戦後の日本の態度であって、領台時代の差別とかいうことではないのです」とコメントした。また「NHKの背後に中国共産党がいる」と感じたと語った。 また朝日新聞の取材によると、柯徳三が日本の台湾への貢献を語った部分はすべてカットされたと発言していることも伝えられた。 金美齢は、「“日本は加害者”という自虐史観ありき」の偏向番組だと非難。櫻井よしこは、「“人間動物園”という言葉を、当時の日本政府が使った言葉と錯覚するように使っている。全篇がそうした”歪曲報道”の連続」であると批判した。日本文化チャンネル桜社長でチャンネル桜の番組出演者でもある水島総は、タイトルバックを例に挙げこの番組は印象操作や意識操作、さらには禁止されているサブリミナル効果までが駆使されている悪辣な「ドキュメンタリー」であると論じている。 NHKは旧台湾総督府に保存されていた文書を交えて、柯徳三の父親が小学校を退学させられたことについて放送したが、チャンネル桜によれば、柯はこのことをNHK側から文書を見せられるまで知らなかったし、父や祖父は何も語っていない、と取材時に初めて知ってコメントしたと証言した。水島総はこれを当人が知らない情報をNHK取材陣が提示し、それを証言者自身から出た言葉であるかのように撮影して編集し放送したジャーナリストがしてはならぬ「やらせ」取材で、完全な放送法違反であることが発覚したと主張した。 中村粲は、欺瞞をつぶさに論証した上で意図的なつまみ喰いと作為的編集があったと主張。渡部昇一は、並べ方や切り口により同じ歴史を全く逆に見せることが可能だと指摘、公平・公正であるのかと疑問を呈し内容を検証した上で同番組を占領政策に基づいて行われた占領軍(GHQ)による『真相はこうだ』に譬(たと)えた。米占領軍によって直接行われたウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムが中国共産党によって現在間接的に行われているのではないかとも主張した。台湾系評論家の黄文雄は、番組に出演した台湾人の証言などを例に挙げ検証、取るに足らない異例をさも全体像であるかのように誘導する手法を駆使した捏造と歪曲の番組であったと批判した。 西村幸祐は、JAPANデビューの捏造報道、やらせ取材、サブリミナル効果の使用などがあったと主張。また、2005年9月2日から北京で開催されたシンポジウムでの中国共産党中央宣伝部の責任者李長春の演説「日本が中国とアジア太平洋各国を侵略した歴史を深く研究し、日本軍国主義の残虐行為を明らかにし、右翼勢力の歴史をねじ曲げ、侵略を美化するでたらめな論調を暴かなければならない。日本による植民地支配に抵抗した台湾人民の戦いの歴史を深く研究し、「台湾独立」と日本軍国主義の歴史的根源を明らかにし、祖国の平和統一を促進しなければならない」および、2009年3月30日に日本の主要メディア幹部を集めて行われた懇談会で李長春が「友好的な」報道の要請をしたことを紹介した上で、その演説に見事なまでに追随した制作が同番組だったと主張した。
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