批判から受容へとは? わかりやすく解説

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批判から受容へ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:13 UTC 版)

中城ふみ子」の記事における「批判から受容へ」の解説

当初既存歌壇からは激し反発受けたものの、ふみ子短歌若手歌人からは強い支持集めた。そして歌壇内では形式的にふみ子作品模倣した短歌数多く詠まれるようになるという事態が発生した。 「短歌研究五十応募特選後、「短歌研究1954年6月号に「優しい遺書」が発表され、やはり「短歌1954年6月号に川端康成の推薦付きで「花の原型」が発表されると、歌壇中でもふみ子実力が確かであることを認め意見増えてくる。ふみ子短歌最初に高く評価した歌人一人五島美代子であった。「母の歌人」と呼ばれた五島は、「乳房の喪失とその永生」において、「息を詰めるような絶唱である。ここに来て作者は、その失った乳房永遠に得たのだと思う」と激賞したふみ子没後の「短歌研究1954年9月号には、ふみ子遺詠とともに森岡貞香の「ふたつの女人像 中城葛原作品」が掲載される森岡ふみ子葛原妙子作品を、の強い個性的なのであるとして高く評価した。 もちろんふみ子発掘し全国歌壇デビュー対す既存歌壇非難我慢がならなかった中井英夫は、ふみ子短歌価値認めさせるべく様々な手段取った中井にとってみれば平明な日常詠に沈滞していた短歌復活の鍵は、中城ふみ子トップランナーとする女流歌人握っていた。ふみ子価値歌壇認めさせること、それは歌壇変革目指していた中井からすると必要不可欠であった例え中井1954年度芥川賞作家吉行淳之介、そしてやはり同年直木賞受賞した有馬頼義依頼して、「短歌研究誌上ふみ子擁護論陣張ってもらったそのような中で、「短歌1955年3月号に葛原妙子論文「再び女人の歌を閉塞するもの」を発表する論文内で葛原戦後短歌史における女流歌人特性説きながら、中城ふみ子中心とした女流歌人活躍擁護し前述近藤芳美山本友一らによる女流歌人活躍批判する論説反論をした。「再び女人の歌を閉塞するもの」は、葛原論文中でも出色のものである評価されている。 葛原は同論文の中で、ふみ子歌集乳房喪失」について 「乳房喪失」は、一口に言ふなら、混迷中の人間の生き方模索、それを象徴するものと云へよう。一人エゴイスチック女性の、鮮烈な生き方をとほして、それは如実に戦後社会反映してゐる作品である。 と、評価した。 そして近藤芳美女性歌人対す批判には、近藤要望通り女流歌人短歌詠むようになれば、「女人の歌は再び閉塞運命見舞われはしないか」と、近藤意見女流歌人萎縮させるのである批判した。そして山本友一批判に対しては、山本の言うように女流歌人中にはいわゆる醜い情緒があることは事実であるが、その醜い情緒を歌に詠むことが、どうして歌人本人良心欠如不誠実であると見なされなければならないのか、「私はこうです」と言うことがなぜ批判されなければならないのかと切り返した。 また塚本邦雄は「短歌研究1954年12月号に「短歌の判らなさについて」を発表した塚本はまず既存歌人作品について取り上げ厳しい批判行った後、最後に「……自ら別に更に新しピーク時代を創っていかねばならぬ。そして次のような作品こそいみじくも僕達の今日暗示しているようだと書いた上で中城ふみ子短歌作品取り上げた塚本ふみ子短歌作品現代短歌原点となるものを見たのである

※この「批判から受容へ」の解説は、「中城ふみ子」の解説の一部です。
「批判から受容へ」を含む「中城ふみ子」の記事については、「中城ふみ子」の概要を参照ください。

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