我思う、故に我ありとは? わかりやすく解説

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われ思う、ゆえに我あり

読み方:われおもうゆえにわれあり
別表記:我思う、故に我あり、我惟う、故に我在り

「われ思う故に我あり」とは、17世紀フランス哲学者ルネ・デカルト哲学第一原理として打ち立てた命題である。あらゆる物事虚偽かもしれないとしても、その「疑う私」という存在そのもの疑いようがない、という発見端的に示す命題として知られている。

デカルト古代ギリシアから続いてきた哲学伝統常識などをそのまま踏襲することなく一切前提捨てて真理探究行った。「われ思う故に我あり」は、その探究第一歩位置づけられる。デカルト以降近代哲学出発点にもなり、近代から現代に続く西洋哲学流れにも決定的といってよいほど大きな影響与えている。

「われ思う故に我あり」は、ブランス語で書かれた「方法序説」で提唱されており、原語は「Je pense, donc je suis」とフランス語叙述されている。今日ではラテン語表現された「Cogito ergo sumコギト・エルゴ・スム)」の方がよく知られている。英語ではI think, therefore I am.」と訳される

「われ思う、ゆえに我あり」と「方法的懐疑」

「われ思う、ゆえに我あり」は、デカルトが「方法的懐疑」に基づいて提唱した命題である。

方法的懐疑」とは、すべての知識認識について疑問を持つという思考方法である。感覚常識先入観先人教えなどの一切合切を疑うわけである。

そのように一切合切疑ってみると、絶対確実といえるものは何もないかのように思われるが、「私という存在物事疑って見ている」という事実だけは否定しようがないということ見出される

私が思考しているということは思考している私が存在するということの証である。つまり「私は考える、ゆえに私は存在する」。「われ思う、ゆえに我あり」は、これの文語的な表現である。

我思う、ゆえに我あり

(我思う、故に我あり から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/01 14:10 UTC 版)

我思う、故に我在り」(われおもう、ゆえにわれあり、: Je pense, donc je suis[1]: Cogito ergo sum)は、デカルトが仏語の自著『方法序説』(Discours de la méthode)の中で提唱した有名な命題である。『方法序説』の他、『省察』、『哲学原理』、『真理の探究』でも類似した表現が使われているが、一様でなく、その解釈について争いがある。ラテン語訳のCogito, ergo sum(コーギトー・エルゴー・スム、cogito =我思う、ergo = 故に、sum = 我在り)との標題が有名だが、これは第三者の訳による『真理の探求』で用いられたもので、デカルト自身がこのような表現をしたことはない。『方法序説』の幾何学部分以外は、神学者のエティエンヌ・ド・クルセル(Étienne de Courcelles)がラテン語に訳し、デカルト自身が校閲し[2]Ego cogito, ergo sum, sive existo との表現がされている。デカルト自身がラテン語で書いた『哲学原理』(Principia philosophiae)ではego cogito, ergo sum[3]、『省察』では、Ego sum, ego existo [4]と表現されている[5]


  1. ^ Œuvres de Descartes, éd. Ch. Adam & P. Tannery(AT), Vrin, VI, 32, 1996.
  2. ^ ルネ・デカルト著『方法序説』落合太郎訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1967、「解題」6-7頁
  3. ^ Principia philosophiæ, I, 7.
  4. ^ AT. VII, 25
  5. ^ ルネ・デカルト著『方法序説』、山田弘明訳、ちくま書房〈ちくま学芸文庫〉、2010、234-235頁
  6. ^ 中村元 (1984). ブッダのことば : スッパニーダ:Suttanipāta. Nakamura, Hajime, 1912-1999.. Tōkyō: 岩波書店. ISBN 4003330110. OCLC 173514637. https://www.worldcat.org/oclc/173514637 


「我思う、ゆえに我あり」の続きの解説一覧

我思う、故に我あり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 16:11 UTC 版)

「我」の記事における「我思う、故に我あり」の解説

デカルト言葉懐疑論によってあらゆる事象根拠揺らいだとしても、自分思考しているという事実は思考によって否定されえず、ゆえに自分存在否定されえない確かな物である、という意味。

※この「我思う、故に我あり」の解説は、「我」の解説の一部です。
「我思う、故に我あり」を含む「我」の記事については、「我」の概要を参照ください。

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