心の中のルームメイトたち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 04:03 UTC 版)
「マヤのマンション」の記事における「心の中のルームメイトたち」の解説
心の中の人格であり「ルームメイト」「家族」などと呼び合う人たち。マヤの肉体を共有しているため造形は全員同じである。このため成人男性のエイダンは華奢で女性の体格であり、30代後半のソフィーが若々しいなど違和感のある人格もある。 人格の判別は服装、髪型、口調、表情に加え、全身が持ち色になっている点などで容易に可能である。 マヤ(Maya) 本作の主人公で10代の女性。肉体の持ち主「主人」であり、物語の語り手でもある。持ち色は赤(実際はピンクに近い)。外見はエプロン姿で髪は左側を一房だけ編んでいる。 穏やかで優しく、何事にも前向きで一生懸命な少女。「主人」ではあるが、過去の記憶をほとんど持っておらず、嗜好もない。また当初は他の人格と意思疎通すらできず、辛うじてエイダンからの一方的な語りかけが理解できる程度であった。そのため社会性はやや乏しく、引っ越し先ではエイダンから外出を制限されていた。 エイダンとの交信を徐々に増やせるようになると、彼から教育を受け「主人」としての風格を身に着けるべく勉強中である。 その後荒野で見つけた屋敷に入ったことをきっかけに他の人格と普通に交流できるようになった。 モノローグでは大抵「私の名前はマヤです」と切り出す。また常に両手を胸の前で構える癖がある。 ユリア(Yulia) 明るさと社交性を司る10代女性。持ち色はオレンジ。外見はスタジャンにミニスカート、ロングブーツを履き、長髪を数点束ねたポニーテール姿。 機械好きで自動車整備士の資格を持つ(名義は当然マヤだが)。引越先でテオと知り合ったことがきっかけでテオと同じ職場で働くことになるが、エイダンの指示で整備所は辞めさせられ、現在はパン屋の売り子として悪戦苦闘の日々を送っている。 非常に明るく快活で誰からも好かれる性格だが、反面思慮深さに欠けており、対照的な性格のエイダンとはしばしば対立している。 色恋沙汰にはエリンに「おニブちゃん」とからかわれるほど鈍く、テオが好意を抱いていることをソフィーに教えられてようやく理解したほど。当初は当惑しつつも少しずつ自身の気持ちを整理していたが、事態を察したエイダンによって徐々に追い詰められていく。 人格の年齢が近いマヤとは非常に仲が良いが、一方で「主人」としての風格にはやや懐疑的な様子が見られる。 光の座にいる状態でも他の人格と会話することが可能だが、現実世界の会話と混線状態になることもある。一方で光の座周辺以外にはあまり行動することがなく、自分から他の人格を探しに行くことができないが、代わりに大声で歌うことで無理やり人格を呼び出すという荒業をマスターしている。 エイダン(Aidan) 20代後半の男性で持ち色は緑。知識と思考力を司っておりルームメイトの司令塔的存在。服装は非常にシンプルでシャツにスラックス、髪も整えることなく適当に流している。心の中に自室を持っており、数点の肖像画と膨大な量の蔵書に囲まれて過ごしている。 一つの肉体に複数の人格が宿っている現状を憂慮し、マヤを「主人」として教育し、最終的には「一つになる」ことを目指して奔走している。 さまざまな知識を有し、冷静かつ慎重に行動する。現在の街への引っ越し、就職、生活ルールなどはすべて彼の発案である。 論理的な頭脳の持ち主である一方で人間味はやや薄く、テオがユリアに寄せる好意には感づいたものの、ソフィーに相談して確信するなど微妙な感情の機微には非常に疎い。マヤにだけは穏やかな態度を見せるため、ユリアに「マヤはエイダンのお気に入り」などと揶揄されている。 しばしば意見が対立するユリアには「トイレが苦手」と思われており、実際その間光の座にはその周囲を含めて現れない。そのためユリアにはエイダンを避けていたい時に利用されている。 実は4人格の中で唯一の覚醒者であり、本棚を出現させ、直接ぶつけて攻撃したり、囲い込んで相手の動きを封じるなど(明らかに本棚本来の使い道ではないが)自在に操ることができる。 ソフィー(Sophie) 30代後半の女性。勤勉と空想を司る人格で、持ち色は藍(おまけコーナーでユリアに「青でいいじゃないか」とツッコまれてたが、その際は「ものごとは正確に伝えないといけない」とカラーコードまで引き合いに出して藍を強調していた)。清楚なゴシック風衣装を纏い、髪は丸めて後ろでまとめている。 丁寧かつやわらかいが、やや時代がかった上品な口調で話す。大きな屋敷の管理人で使用人たちや会計を一手に引き受けていると称しているが他の人格はそれらを見たことはない。料理はプロ級の腕前であり、それを知るマリーは厨房の仕事をさせるべきだと主張している。ただしウォルターはユリアの力量しか知らないため、マリーの話はまったく信用されていない。 普段は屋敷の管理の仕事に追われているためあまり光の座に現れることはないが、時折不慣れなパン屋の仕事に疲れているユリアの交代要員として働いている。 他人の心情には極めて敏く、他人が持つ内面の心理を的確に見抜き、意見調整にも長けている。その一方で金銭感覚にはやや乏しく高価な古物の花瓶を衝動買いし、騒動を起こしたことがある。 光の座に立っている間、付近にいる多人格との意思疎通はあまり上手くなく、肉体を休めながら出ないと対話できない。
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