帝政時代以後とは? わかりやすく解説

帝政時代以後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 15:31 UTC 版)

元老院 (ローマ)」の記事における「帝政時代以後」の解説

帝政時代になると、元老院はしだい皇帝統治組み込まれていき、その地位低下していった。また軍団勤務義務緩くなっていった。それでも五賢帝時代までは、「元首」である皇帝正統性後継者承認護民官職権授与)する機関として重要であり、皇帝発した勅令恒久法化するには元老院議決を必要とした。そして軍団叩き上げ人物でも政務に関わらせるために、皇帝推挙によって元老院議席得たりした。トラヤヌスなどの皇帝たちも、元老院権威尊重しながら統治行なった。また帝国属州総督半数元老院任命権があった。元老院総督任命する元老院属州は、皇帝総督任命する皇帝属州より統治が容易で経済力もある地域であり、元老院はいわば実利を握る立場であった。 しかし、続く軍人皇帝時代になって帝国各地軍団勝手に皇帝擁立するうになると、帝位承認機関としての地位も失なわれ、ローマ市市参事会市議会程度役割しか果たせなくなっていった。また、皇帝ガリエヌス時代元老院軍務から締め出す法を可決したことで、軍務政務バランス取れた人材を輩出する手段絶たれた。 一方で皇帝ローマ市から離れたことで、イタリア本土アフリカでの元老院影響力はむしろ増大したまた、イリュリア出身氏素性定かでない軍人上がり皇帝たちは元老院との利害関係持たず元老院に関する問題については、軍に随行していた元老院議員元老院からの使節団意見通りやすくなったと想像される元老院軍事からは締め出されていったのは確かであるが、政治的立場従来とは異なる形で向上しクラウディウス・ゴティクスタキトゥスプロブス見られる元老院への敬意は、こうした歴史的事情反映しているとも考えられる見方変えれば、皇帝地位単なる軍事司令官低下し政治元老院主催する体制になったと言えるその後ディオクレティアヌス軍人皇帝時代終焉させ、専制君主制ドミナートゥス)に移行すると、再び皇帝地位と権威向上し元老院地位低下したディオクレティアヌス属州再分割属州総督権力削減し強固な官僚支配体制確立したが、それは今まで半数総督任命権持っていた元老院権力削減でもあった。 コンスタンティヌス1世は、自身イリュリア出身ありながら元老院議員の再登用進める。マクセンティウス破りイタリア支配者となった312年から326年までの間に次第増員し600名から2000名にまで拡大した編入されたのは、主に騎士身分高官都市参事会員層である。なお、この元老院拡充過程で、騎士身分はその固有の官職称号喪失し身分としての特徴失っていった。 ローマ元老院476年西ローマ皇帝地位廃止され以降にも存続した。東ローマ皇帝代官としてイタリア統治したオドアケルオドアケル滅ぼしたテオドリックの下で元老院貨幣鋳造権取り戻しローマ市人口40万人ほどにまで回復したこともあって帝国におけるローマ元老院権威一時的に回復することになった。しかし6世紀になると東ローマ皇帝ユスティニアヌス1世西ローマ帝国における皇帝権威回復事業によってローマ市大きく荒廃させてしまい人口激減多く建物モニュメント打ち捨てられ廃墟化し政治・経済中心地であったフォロ・ロマーノ土砂の下へと埋もれてしまったほどであった。さらに554年ユスティニアヌス1世による『国事詔書英語版)』(Sanctio Pragmatica)によって行政権一部元老院からローマ教皇庁へと移されたこともあり、これ以降ローマ元老院政治的重要性大きく低下していった。ローマ元老院存続以後例え9世紀ローマ教皇セルギウス2世治世などに確認できるものの、その組織的な政治活動確認できるのは7世紀初頭東ローマ皇帝フォカス治世までとなっている。教皇庁与えられた行政権1143年市民蜂起によってローマ元老院へと返還されるが、返還当時古代から続いていた元老院家系は僅か50家ほどで、12世紀末まで元老院議員としての活動続けていたのは「元老院第一人者」(プリンケプス・セナートゥス(英語版))でもあるローマ市長官だけだった

※この「帝政時代以後」の解説は、「元老院 (ローマ)」の解説の一部です。
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