帝政期におけるプロコンスル
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「プロコンスル」の記事における「帝政期におけるプロコンスル」の解説
帝政期に入ると、皇帝はプロコンスルとして大きな権限を持った。皇帝は特例的かつ永続的に皇帝属州と呼ばれる属州すべてについてプロコンスル権限を持つことが、元老院の承認を得て合法的に認められていた。皇帝属州には一般的に1個以上のローマ軍団が駐留しており、皇帝は自らの属州を統治するために、軍団長や総督を任命して派遣した。なお、皇帝はプロコンスルの権限のほか、軍事的な支配権(インペリウム)・護民官特権・元老院の第一人者(プリンケプス)など、帝政を裏付けるさまざまな権限を併せ持っていた。 執政官を務めた者は法律上は依然として共和政の長官とはいえ現実の政治力を失ったが、それでもプロコンスルとして元老院属州と呼ばれる属州の一つの総督になることができた。5世紀初頭の帝国の訴訟に関する文献『ノティティア・ディグニタトゥム』にも、3人のプロコンスルについて記録がある。そこでは、複数の属州を統括する管区 (Roman diocese) の代理官 (vicarius) よりも権限があるように記載されている。なお、プロプラエトルについては、記載がまったくなくなっている。 プロコンスルが総督となった属州(元老院属州)は次のとおり。 アカエア:現在のギリシア、ペロポネソス半島区域 アフリカ:現在のアルジェリアおよびチュニジア北部(カルタゴ) アシア:現在の小アジア、アナトリア半島 クレタ・キュレナイカ:クレタ島およびリビア北部 ガリア・ナルボネンシス:現在の南フランスのラングドック、プロヴァンス区域 ヒスパニア・バエティカ:現在のスペイン、アンダルシア州地方 マケドニア:北部ギリシア。マケドニア、テッサリア近郊 ポントゥスとビティニア:小アジアの黒海南岸区域 シチリア:現在のシチリア島
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