実際の警察制度との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 04:13 UTC 版)
「踊る大捜査線シリーズの登場人物一覧」の記事における「実際の警察制度との違い」の解説
踊る大捜査線シリーズで描かれている警察は、それまでの刑事ドラマではほとんど描かれることの無かったキャリア制度や本庁と所轄との関係を描くなど、それ以前の刑事ドラマで描かれていた警察よりは、ある程度現実の警察制度を反映しているとはいえるものの、全ての点で現実の警察組織を忠実に反映しているというわけではなく、階級と職名の関連等もあくまで「架空」のものであり、現実の警察組織とは大きく異なっている点もある。室井慎次と真下正義の階級に関しては室井慎次、真下正義を参照。 新城賢太郎 警察庁長官官房審議補佐官という役職は警察庁には存在しない、現実では警察庁長官官房参事官。また、「THE FINAL」の段階で警視監になっているが、この時点での新城の年齢(46歳)で昇任する事は不可能である。 安住武史 警視庁組織犯罪対策部長は本来は警視長の階級の警察官をもって充てる職である。通常は刑事局長歴任後は警視庁副総監または政令指定都市の本部長。 草壁中 機動隊等の中隊長は、本来は警部の階級の警察官をもって充てる職である。通常SATなど、特殊部隊の中隊長は警部の事が多い。警視正の階級なら、警備部参事官。 眉田勝重 爆発物処理班の班長は、本来は警部の階級の警察官をもって充当するポストである。 沖田仁美 警視庁刑事部の「管理官」は、警視の階級の警察官をもって充当するポストである。 魚住二郎 「THE MOVIE3」の段階で湾岸警察署の警務課長(警部)に昇進しているが「THE LASTTV」以降は刑事課長になっている。一般的に警察署の警務課長は署長、副署長に次ぐ第3位の役職であり刑事課長は階級こそ警部ではあるが序列は下がったことになる。 スリーアミーゴス 一般的に警察官は階級が高くなるほど人事異動の間隔が短くなり、また地域の有力者などとの癒着などの懸念から同じ警察署の幹部を十年以上にわたって勤めることは不可能である。特に神田署長は劇中だけでもカラ出張、経費での私物購入、賄賂、婦警との不倫による監察官聴取など本来なら刑事告訴、懲戒免職にも該当する悪事を働いているにもかかわらず定年退官まで勤められたことは奇跡ともいえる。 一倉正和 「THE MOVIE3」の段階で捜査第一課管理官(警視正)というのは、どんな降格人事を鑑みたとしても、キャリア官僚人生が破局を迎えたことを意味するほど不遇である。そもそも捜査第一課管理官は警視の階級をもって充当し、かつ大半がノンキャリアのポストであり、キャリアであれば採用7年目、29歳程度、またノンキャリアであれば早くても40代後半(丁度一倉の年齢に該当する)で就任するポストである。キャリアでもさまざまな責任を取っても最低でも警視長まではいかないといけない。 小池茂 警視庁刑事部の「課長」は、警視正または警視の階級の警察官をもって充当するポストである。また、キャリアであっても入庁6年で警視まで昇任することはできない。 鳥飼誠一 実際の警視庁には管理補佐官と言う役職は存在しない。現実では管理官または係長。 池神静夫 1997年に警察庁警備局長で1998年に警察庁刑事局長で2005年で警察庁次長の流れになっているが、実際の警察社会は、2年程度局長を務め、2年程度警視庁主要職部長を歴任後に2年程度政令指定都市本部長を務め警察庁次長に就くのが慣例である。少なくとも11年以上警視監を務めるのは不可能である。 池神警察庁次長、安住警視庁副総監 現在の実際の人事では、警察庁次長は次期警察庁長官への最有力ポストである。警視庁副総監と警察庁次長とは同じ警視監という階級ではあるが、指定職の上下関係を知る上で欠かせない指定職俸給表を見比べると、警視庁副総監(4号俸)は警察庁の官房長・局長(5号俸ないし4号俸)と比べ下位ないしは同等であり、警察庁次長は6号俸(庁の長官に相当)であるため、同じ警視監でも2ランクの差がある。 警視庁副総監から警察庁長官・警視総監へ至るためには、現在ではさらに数段階のポスト(具体的には、警察庁次長・官房長・局長級)を経る必要がある。警視庁副総監から警察庁長官へ直に昇格した事例は存在しない。 近時の具体的な人事例(1980年以降)を見る限り、警視庁副総監は概ね警視庁の部長級からの昇格が多く、転出先は大阪府警察本部長か警察庁の局長・管区警察局長級が多い。「警視庁#副総監」を参照 1993年以降、警視庁副総監から大阪府警察本部長に就任した者が5人(前田健治・廣瀬権・漆間巌・奥村万寿夫・植松信一)であるのに対して、大阪府警察本部長から警視庁副総監に就任した者は1人(米村敏朗)のみとなっている。 大阪府警察本部長離任後、前田は警察庁長官官房長へ、漆間・奥村は警察庁警備局長へ就任、植松は内閣情報官へ転出し、米村は警視庁副総監離任後に警察庁警備局長に就任している。 警察庁の局長級が大阪府警察本部長に就任し、離任時に警察庁次長となり、その後に警察庁長官に昇格した例が2例あるが(鈴木良一・佐藤英彦)、警視庁副総監が離任時に警察庁次長に就任した事例は存在しない。 新警察法施行後に警視庁副総監から直ちに警視総監へ昇格した例は、第69代の槇野勇(1972年6月27日就任・1975年1月31日離任)のみである。参考として、新警察法施行後10年以内の草創期に限れば副総監以外の警視庁の幹部から直ちに警視総監に昇進した例が2例(小倉謙・原文兵衛。代理を務めた古屋亨を含めれば3例)あるが、近時においてはいずれの例も見られない。歴代の警視総監参照)。 その他警察庁の課長に警視でついたりと(警察庁内部部局の課長は警視長)、現実の警察組織の階級と明らかにあっていないポストに配属されることが多々見られる。
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