学説・思想
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大学教授として刑事法を中心に研究し、論文・著作を発表していたが、その研究対象は労働法、経済学、哲学、量子力学等幅広い。晩年になって自らの哲学的研究の成果をまとめた「宇宙超出論」を提唱し、脳死説に反対している。
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学説・思想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 00:54 UTC 版)
指導教授は経済史の高村象平。栗本は、経済史を研究するなかでその枠を超えてカールを祖とする実在派経済人類学に辿り着き、カールの弟子であるジョージ・ドルトンに師事する。 栗本は経済人類学の研究成果を踏まえ、近代以前の社会を非市場社会であるとしたうえで非市場社会における財の生産、贈与、交換、廃棄等の経済活動の根底には、習俗によって規定されている人びとの行為に当人たちには意識されていない行為の動因があり、経済活動はその結果ないし機能にすぎないとする。そのうえで、近代社会である市場社会においても上掲の事情は基本的には変わりがないとして、経済活動を人びとの合理的な利益追求であるとする従来の経済学の常識に180度の転回を迫った。 栗本はその研究対象を広義の経済学の枠を超えて法社会学に広げて、社会規範として人びとに行為を強制・禁止する習俗についての研究を進める一方、その他方で人びとの行為・行動の動因となっているものを明らかにするためには、無意識の問題を避けることはできないとして精神分析学、記号論ないし生命論等の議論をも踏まえたうえで、経済人類学を基礎として、経済学、法学、文化人類学を包括した統一的理論の構築を目指した。 その後、デュルケームの聖俗理論を紹介したうえでマルセル・モースのポトラッチ論や動物行動学の研究成果を踏まえ、これをジョルジュ・バタイユのタブーとエロティシズムに関する見解と結びつけ、日常的時空間における生産的な経済活動は逆説的であるが、非日常的時空間における破壊的な(経済)活動の準備としてなされる、極めて不合理なものであり、その背後にタブーを犯すことによって生じる快感とそれを支える生命的なエネルギーがあり、しかもそれが経済活動のみならず、人間の道徳、習俗、意識さえも規制しているという「過剰―蕩尽理論」を主張した。また、大学の講義等において前衛芸術家の岡本太郎にも言及し、モースやバタイユやロジェ・カイヨワと、1930年代のパリで直接交流のあった岡本のことを偉大な思想家として評価した最初の言論人である。 栗本は上掲のとおり学問の枠を超えた過激な見解を主張していたが、それでも当時はトーマス・クーンの見解をあげたうえで個別の学者・学説への批判を慎重に避けていた。ところが、突如浅田彰や山口昌男ら個別の学者を名指しして批判を始め、「危険な学者」と自称するようになった。このように態度を一転させた理由は、学者がマスコミ進出によって大学教授という地位だけでなく、わずかばかりの知名度や収入を得てそれを守るために汲々とし、お互いに学問的な批判や議論を避けているとの不満と、山口や柄谷行人、蓮實重彦らはその方向性を突き詰めれば社会システムを包括的にとらえる超統一的理論へと至るステップを準備するはずなのであるが、その作業をしていないかあるいはしていても極めて不徹底であることへの苛立ちにあったといえる。 栗本はその後、自身の理論を更に徹底させて上掲のいわゆる社会科学にとどまらず、すべての学問を包括的にとらえる超々統一的理論の構築を目指して、マイケル・ポランニーの科学哲学である暗黙知の理論を承継・発展させて、化学、物理学の研究を進めて、量子論、宇宙論の研究の成果を取り込んだ後掲『意味と生命-暗黙知理論から生命の量子論へ』を上梓した。 さらにその後、ドーパミン等の脳内伝達物質にいち早く注目し、コンドラチェフの波等の景気循環に関する経済学説を紹介したうえで、その原因が太陽からの磁気が関係していると主張するなど多くの著作を発表している。
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