学説上の対立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 17:38 UTC 版)
国際法に条約を無効とするような上位規範が存在するかについて学説上争いがあった。強行規範を肯定する立場では、任意に定められるすべての法規に優位する「必然の法」が存在するといった見解や、強行規範を国際社会全体に重要で国際社会の存立に不可欠の価値を内容する法と解釈するという見解のように、無条件に強行規範の存在を肯定した。こうした立場は自然法主義といわれる。これに対して強行規範を否定する立場では、主権の発現である国家の「合意の自由」が重視され、強行規範が強調されることはなかった。例えば1927年のローチュス号事件常設国際司法裁判所判決では、国家を拘束する法規範は国家による自由意思によるものであるため、「国家の独立に対する制限は推定されてはならない」とされた。このような立場では、国際法はもっぱら国家の意思に基づいて有効なのであり、条約の内容も国家が自由に定めることができるとして強行規範の存在は否定された。このような立場を実証主義という。
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