強行規範とは? わかりやすく解説

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強行規範

読み方:きょうこうきはん
別名:ユスコーゲンス

国際法上概念で、絶対に破ることのできない規定、あるいは一部国家の間で合意形成至ったとしても排除することができない規定ウィーン条約法条約では、国際社会全体が強行規範を受け入れるものとされている。

強行規範の具体例として、ジェノサイド人道に対する罪奴隷制度拷問などが挙げられる。強行規範は国際法上比較新しいもので、未だ国際社会において確立していないという意見もある。

強行規範は他の国法規優先して効力発揮するとされる。強行規範とみなされ場合他の国法上規範かかわらず介入などの行為正当化できる場合もある。

強行規範

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/29 15:15 UTC 版)

強行規範(きょうこうきはん、英語:premptory norms)とは、国際法上いかなる逸脱も許されない規範である[1]ユス・コーゲンスラテン語:jus cogens)ともいう[1]条約法に関するウィーン条約(以下、条約法条約)によると、強行規範を変更や終了できるのは強行規範のみであり、強行規範に反する条約は無効とされ(第53条)、条約締結後にその条約に反する新たな強行規範が生まれた場合にはその条約は終了するとされる(第64条)[1]。そのため国際法の縦の序列関係においては上位の法として位置づけられ[2]、強行規範に反する条約慣習国際法に対して絶対的優位に立つ[3]。このような上位規範の存在は国際法秩序における法の支配の進歩といえるが、その一方で条約関係を不安定なものとするおそれもある[1]。しかし強行規範の具体的内容については、条約法条約の審議において侵略奴隷取引海賊行為、ジェノサイドの禁止などを強行規範として認める規定を置こうとする主張もあったが、このような性質をもつ規範は未だ少数であり、強行規範と主張する意見がありながらも未確定のものが多い[1][3][4]


  1. ^ a b c d e f g h 「強行規範」、『国際法辞典』、64頁。
  2. ^ a b c d 杉原(2008)、24頁。
  3. ^ a b c d e f g h 山本(2003)、75‐77頁。
  4. ^ a b c d e 小寺(2006)、87頁。
  5. ^ 杉原(2008)、24頁よりローチュス号事件判決日本語訳を引用。PCIJ Series A, No.10, p.18. "Restrictions upon the independence of States cannot therefore be presumed."
  6. ^ 条約法に関するウィーン条約”. houko.com. 2015年8月3日閲覧。


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