無効原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 01:09 UTC 版)
8つの無効原因の分類-国内法違反権限踰越錯誤詐欺買収代表者への強制国家への強制強行規範違反無効の程度相対的無効 絶対的無効 無効の理由真正の同意の欠如 合意内容の違法 国際法委員会が条約法に関するウィーン条約(以下「条約法条約」と略す)の草案作成を行った際、条約の無効原因について国内私法上の原則を類推することが可能かどうかが検討された。国内法上、契約上の権利義務の法的効果が完全に発生するためには、当事者の自由な意思表示の確保がもとめられ、錯誤、詐欺、公序良俗違反による契約の一部または全部の無効が定められている。このような国内私法上の原則をそのまま無条件に類推することは困難であると考えられたが、結局1969年に採択された条約法条約では国内法上の分類にならって条約の無効原因を定めた。 条約法条約42条1項では条約の有効性は同条約の適用によってのみ否認できることとされ、条約の無効原因を同条約に列挙される8つの場合に限定した。8つの無効原因のうち合意内容の違法を理由とする無効原因は強行規範に違反する場合の無効を定めた53条のみであり、他は真正の同意の欠如を理由とする無効原因である。これら8つの無効原因は条約が締結された当初から無効とされるもの(絶対的無効原因)と、当事国が無効原因として援用できるにとどまるもの(相対的無効原因)とに分けられ、無効性の程度に差異が設けられている。
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