無効審判(むこうしんぱん)-Trial for patent invalidation-
”無効審判”とは、本来、登録されるべきでなかった特許や商標を無効にするため、特許庁に請求する審判である(特許法第123条、商標法第46条)。
特許権、意匠権、商標権を取得するには、出願を行い、特許要件(登録要件)を満たしているかどうかについて審査官による審査を受けなければならない。たとえば、新規性のない発明、他人の登録商標と類似する商標などは、審査官の審査によって拒絶され、特許(登録)を受けることはできない。
しかし、審査官が審査を誤ることもある(同じ発明がすでに公表されているのに見落とすなど)。このような場合には、本来特許(登録)されるべきでない特許権・商標権が存在することになってしまう。
そこで、このような傷のある特許・商標登録を無効にするために設けられているのが無効審判である。
たとえば、新規性がないことを理由に特許無効審判を請求する場合には、新規性がないことを示す証拠(たとえば、その特許の出願より前に発行された文献であってその発明と同じ技術が記載されている文献)を添付する。無効審判の請求があると、特許庁の審判官が審理を行い、無効にすべきかどうかの判断(審決という)を行う。無効にすべきであるとする審決(無効審決)が確定すると、特許権・商標権は、原則として最初からなかったものとなる。
なお、審決に不服がある場合には、審決取消訴訟を提起することができる。
知的財産用語辞典ブログ「無効審判」
(執筆:弁理士 古谷栄男)
無効審判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/23 05:50 UTC 版)
この特許は2011年、無効審判請求されたものの特許維持審決が下された(無効2011-800252号事件)。この審決を不服とする審決取消訴訟が知的財産高等裁判所に提起されたが、2013年8月28日に請求棄却判決がなされた。原告側は最高裁に上告をしたが、最高裁は裁判官全員一致の意見により、当該申立ては民事訴訟法318条1項(判例変更などではない場合)により受理すべきものとは認められないことから、上告審としてこれを受理しない旨の決定を2014年2月18日に下した。しかしこのとき特許明細変更が受理され特許の範疇に血流をとめることなくという制限がつけくわえられた。2020年3月25日加圧サイクル、kaatucycleの特許であるkaatujapanの特許、血管トレーニング特許の方法論が無効になった。この審判の中で加圧トレーニングのデータが血流を止めることなくという特許の範疇を逸脱していることを指摘され、除圧の効果である加圧トレーニングの効果とされてきた血流改善効果、損傷の治癒効果、アンチエイジング効果などは加圧トレーニング特許と関係ないものと判断された。また従前の特許内容であり、特許のとれないものであり容易にとれるものであるから無効であると判断された。
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無効審判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 00:04 UTC 版)
「つつみのおひなっこや事件」の記事における「無効審判」の解説
審判においては、Yの商標である「つつみのおひなっこや」は、同じ書体で等間隔にまとまりよく表されており、これよりは「ツツミノオヒナッコヤ」の称呼、「堤焼(あるいは堤町)の土人形を扱う店」の観念が生ずるものというのが相当であり、視覚上においても、観念上においても、その構成中「つつみ」の文字部分のみに限定して称呼・観念が生ずるものとすべき格別の理由はないとし、Xの商標の「つつみ」又は「堤」とは類似しないとされた。
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無効審判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 00:07 UTC 版)
3条や4条などの規定に違反した商標が誤って商標登録された場合や、商標登録後に無効理由が生じた場合には、利害関係人は商標登録を無効にすることを請求できる(無効審判、46条)。一定の私益的な無効理由については、5年の除斥期間が設けられており、除斥期間経過後は無効審判の請求ができない(47条)。これは、登録後一定期間経過するとその商標に信用が化体するため、無効にする利益よりもすでに生じている信用を優先させたものである。なお、公益的な無効理由については、信用を優先させることは適当ではないため、除斥期間は設けられていない。
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