国内法違反
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 01:09 UTC 版)
条約締結時になされる国家の同意の表明が国内法違反であった場合の条約の効力について、かつて争いがあった。国内法違反の同意の表明があった場合には条約を無効とする立場によると、同意を表明する機関と手続きは国内法にもとづいているため、国内法に違反する同意の表明があったときは条約は無効であるとした。これに対して同意の表明が国内法違反であった場合にも条約が有効とする立場によると、国際法は対外的に表明された国家の意思にかかわるものであり、同意の表明が国内法上の要件を満たしていないからと言って国際法上の条約の効力には影響を及ぼさないとした。さらに両者の折衷的な見解もあった。条約法条約は条約の円滑な締結と条約関係の安定性の確保のため、「違反が明白でありかつ基本的な重要性を有する国内法の規則に関わるものである場合」を除いて、国内法違反の条約であっても原則的に有効と定めた(46条1項)。また、「違反が明白」である場合とは、「通常の慣行に従いかつ誠実に行動するいずれの国にとつても客観的に明らかであるような場合」とされた(46条2項)。
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