国家の国際犯罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 03:04 UTC 版)
国家の国際犯罪は、国家の国際違法行為の中でもその重大性にかんがみ通常の国家責任とは異なる国家の刑事責任を問うべきとする見解であるが、2001年に国連国際法委員会が作成した国家責任条文からは1996年の条文案に見られた「国家の国際犯罪」の概念は削除された。削除された条文案第19条によると、国家の国際犯罪とは「国際社会の基本的利益の保護のため必要不可欠である国際義務の国家による違反から生じ、それゆえにその違反が国際社会全体によって犯罪として認められる国際違法行為」であり、これに該当するものとして侵略、武力による植民地支配の確立・創設、奴隷制・ジェノサイド・アパルトヘイト、大気・海洋の大量汚染が例示されていた。こうした国家の国際犯罪の概念が国家責任の分野で実定国際法として確立できるかどうかといったことや、個人の国際刑事責任や強行規範との関係性など、問題点を指摘する見解もある。
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