学説・逸話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 16:58 UTC 版)
「キュレネのヘゲシアス」の記事における「学説・逸話」の解説
著作は現存せず、学説や逸話が断片的に伝わる。 ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』によれば、キュレネ派の開祖アリスティッポスの学統に連なる人物として、「死を勧めし人」ヘゲシアスがいた。ヘゲシアスの徒は、キュレネ派的な快楽主義や感覚懐疑に加え、以下の学説を掲げた。 肉体の煩いや運命の妨害がある以上、幸福な人生(エウダイモニア)は不可能である。 友情・感謝・親切といったものは、ただ役に立つだけの道具に過ぎない。(アリスティッポスが友情に価値を置いたのと対照的。) 生と死はどちらも望ましい。 貧困と富裕、自由と隷属、名誉と屈辱、いずれも快苦とは無関係であるため、どちらでもいい。 賢者は生に執着せず、自発的な利他もせず、他者を憎まず、過ちを許す。 善いものを追究するより、悪いものを避ける人生を目指す。 キケロ『トゥスクルム荘対談集(英語版)』によれば、ヘゲシアスの著作に『絶食で自殺する』(古希: ἀποκαρτερῶν アポカルテロン)があった。その内容は、絶食自殺中の人が友人に人生の厄介事を枚挙し、読者を自殺に誘うというものだった。 キケロの同書やウァレリウス・マクシムス『有名言行録』によれば、ヘゲシアスの受講生の多くが実際に自殺したため、プトレマイオス2世により講義が禁止されたという。
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