大衆文化におけるモリー・マグワイアズ
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「モリー・マグワイアズ」の記事における「大衆文化におけるモリー・マグワイアズ」の解説
近代野球においてアメリカンリーグに所属するクリーブランドのチームは、1912年から1914年まで「クリーブランド・モリー・マグワイアズ」と名乗った後、1915年に現在の名称である「インディアンス」に改称した。 一連の事件に基づいた映画『男の闘い(The Molly Maguires)』が、ショーン・コネリー、リチャード・ハリスの主演で1970年に公開された。 シャーロック・ホームズが活躍するシリーズの長編『恐怖の谷』の第二章は、モリー・マグワイアズの話に基づいている。 米国の西部劇テレビ・シリーズ『バークレー牧場』の「Heritage」の回では、1870年代のカリフォルニア州を舞台に、シエラ山脈中の架空の炭鉱でのモリー・マグワイアズの姿を描いている。炭鉱のストライキの際に、中国人労働者を使うことにアイルランド系の坑夫たちが抗議するという内容であった。 民間伝承研究家で、ジャーナリストでもあったジョージ・コーソンは、ペンシルベニア州の坑夫の生活に魅了され、それを主題に何曲もの歌を書き、文章も残したが、その最良のものは『Minstrels of the Mine Patch』であり、その中の1章はもっぱらモリー・マグワイアズを取り上げ「"Coal Dust on the Fiddle」と題されている。 アイルランドのフォーク・バンド、ザ・ダブリナーズ(The Dubliners)は「Molly Maguires」という曲を発表している。 アメリカ合衆国のアイリッシュ・フォーク・バンド The Irish Balladeers は、歴史を踏まえて「The Sons of Molly」という曲を作って録音した。この曲は後に、カナダのアイリッシュ・フォーク・バンド The Peelers がカバーした。 スウェーデンのアイリッシュ・フォーク音楽/スカ・バンドである Molly は、元々は「Molly Maguire」と称していた。 ペンシルベニア州オリファント(Olyphant)には、モリー・マグワイアズの名を冠したバーがある。 2003年に発表されたコンピュータ・ゲーム『Freelancer』には、モリーズと称する元は小惑星の坑夫たちだった犯罪集団が登場し、恒星ダブリン系の金鉱の支配をめぐって闘いが起こる。 レアード・バロン(Laird Barron)の短編「Bulldozer」に登場する主人公(Jonah Koenig)は、ピンカートン探偵社の探偵で、モリー・マグワイアズへの潜入捜査と彼らを告発する証言で有名になった、という設定になっている。 「The Ballad of the O'Donnell House」という歌や、Loretta A. Murphy の小説『The Pipes Are Calling』は、モリー・マグワイアズの時代とウィガンズ・パッチの虐殺の真実に焦点を当てたものである。 カナダのアイリッシュ・フォーク・バンド The Irish Rovers の2000年のアルバム『Upon A Shamrock Shore』には、「Lament for the Molly Maguires」という曲が収録されている。 アイルランドのフォーク・バンド Hair of the Dog の2001年のアルバム『At The Parting Glass』には、「Ghosts of Molly Maguires」という曲が収録されている。 Lucia Dailey の歴史小説『Mine Seed』は、一次資料、オーラル・ヒストリー、その他の歴史的記録を用いて、炭鉱所有者側が描いた「暴力的な」「モリーズ」の姿に大きな疑問を投げかけている。同書は、無煙炭地方(やその他の地域)の労働者や組合活動家に対する産業資本家の言説を取り上げ、そこでは「共産主義者」、「モリー・マグワイアズ」などといった扇情的な用語や侮蔑語が、組合の指導者たちやストライキ参加者を暴力的で危険な存在として表現するために動員されていたことを明らかにしている。さらに、不公正な法廷や手続き、自警団や軍による十年にも及んだ組合への弾圧、「モリーズ」として告発された者たちがスクールキル郡で処刑された1877年に至る様々な事件が、詳しく描いている。1902年の無煙炭地方でのストライキの際に、セオドア・ルーズベルト大統領(とクラレンス・ダロウ)は、炭坑夫側にたって事態に介入した。炭鉱の国有化をちらつかせながら、ルーズベルトは産業資本家たちを、合衆国史上初めて仲裁のための交渉のテーブルに就かせた。これはまた、政府が労働者側に立って所有者たちに対峙し、ストライキを「終息」させるために労働者に対して暴力をふるったり、暴力を用いて脅迫したりすることを否定した、最初の機会であった。
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