だいけっかんてんい‐しょう〔ダイケツクワンテンヰシヤウ〕【大血管転位症】
大血管転位症
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心臓の4つの部屋である左右の心房と心室は正常につながっているが,右心室から大動脈が,左心室から肺動脈が起始しているという,生まれつき大血管の位置関係が反対(転位)になっている病気です. 発生頻度は先天性心疾患全体の約4〜8%を占め,男児に多いです. 心室中隔欠損と肺動脈狭窄の合併の有無により3つの病型に分類されます. 新生児に高度のチアノーゼを認め,酸素を吸入してもチアノーゼは改善しないが,強い呼吸困難はないのが特徴です.出生体重は正常か正常以上です.心音の聴診では雑音を聴取しない場合もあります.胸部レントゲンで心臓の拡大があり,心臓超音波検査で大血管の位置関係の異常が判明します.心臓カテーテル検査でより詳細な診断がなされます. 治療は,1型と2型は新生児期に動脈転換手術(ジャテン手術)を行います.新生児期に肺動脈絞扼術+体肺動脈短絡術を行い,左心室のトレーニングをして2週〜1ヶ月後にジャテン手術を行うこともあります.乳児期以降は心房内血流転換手術(マスタード手術,セニング手術)を稀に行う場合があります. ジャテン手術の成功率は90%を超えます.術後問題点としては肺動脈狭窄,大動脈弁逆流を生じることがあります. 全くの治療なしにはこの病気の自然歴は不良であり,数ヶ月以内にその半数が死亡します.診断がつき次第,手術のできる病院への転送が勧められます. |
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大血管転位
(大血管転位症 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 02:19 UTC 版)
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![]() 本症患者の胸部X線写真。卵形の心陰影像が認められる。 | |
分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 | 遺伝医学 |
ICD-10 | Q20.3 |
ICD-9-CM | 745.1 |
OMIM | 608808 |
DiseasesDB | 13259 |
eMedicine | ped/2548 |
Patient UK | 大血管転位 |
MeSH | D014188 |
大血管転位(だいけっかんてんい、英語: Transposition of the great arteries, TGA)とは先天性心疾患の一つ。
病態・疫学
心房と心室の間の関係は正常に保たれているが、肺動脈が左心室に、大動脈が右心室につながってしまう疾患である[1]。1797年にスコットランドの病理医マシュー・ベイリーによって初めて報告された[2]。
以下の二つの大別される。
関連項目
脚注
大血管転位症と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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