大東諸島におけるサービスの状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:16 UTC 版)
「NHK沖縄放送局」の記事における「大東諸島におけるサービスの状況」の解説
本島周辺と先島地区では地上デジタル放送を含めた全ての放送サービスを利用できるが、大東諸島は地勢的要因により2019年6月時点で以下の通りとなっている。 総合テレビジョン・教育テレビジョン(Eテレ) 大東諸島においては、沖縄本島から遠く離れており、地上波の直接受信ができないばかりか、ケーブルテレビも整備されておらず、NHKはおろか、地元の県域民放も視聴することが長らくできなかった。そこで1975年にNHK沖縄が放送試験局(現・地上基幹放送試験局)(コールサイン・JO7D-TV)を開局して、沖縄放送局が番組を収録したビデオテープを南大東島役場に送り、それを1日あたり4時間程度放送するのみだった。 その後1984年5月に現在のNHK BS1の母体となる衛星第1放送(旧)の試験放送(当初は2チャンネル体制を予定していたが、衛星の故障により1チャンネルのみ)を、地上波の総合の同時放送(一部時差放送や教育テレビの時差放送もあり)という形で提供するようになった。1987年の番組再編で、地上波の同時中継は1986年に開局した衛星第2放送(当初は教育テレビのみ。1989年の本放送移行後は独自編成と混成)に移行し、更に同時期に衛星第1は独自編成となった。 この後、1998年4月から2011年7月24日のアナログ放送終了までは、衛星通信で送られていた小笠原諸島向けのNHK東京(JOAK-TVとJOAB-TV)の放送を受信、地上波に変換して放送していたが、アナログ放送終了に伴い2010年後半からはソースがBSを利用したセーフティネット放送に切り替えられた。沖縄県の情報は電話回線により、画面へのテロップ挿入で伝えた。 デジタル放送の中継局は当初、2010年の設置を目指しているとされていたが、本島⇔大東島間の中継回線をどうやって整備するか、その設置費用負担をどうするかといった諸問題が山積みになっており、開局の目処は立っていなかった。その後、2011年初頭に本島⇔大東島間の海底ケーブル敷設工事に着手する見通しが立ち、同年敷設されたため、アナログ放送最終日の2日前となる2011年7月22日に開局した。 なおセーフティネット放送についてはBS波のデジタル化対策も兼ね、直接受信できるようにもなっていた。 詳細は「テレビ北海道#地上デジタル放送への対応」を参照 以上の理由から、2010年夏の大会まで、選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権大会の沖縄県代表校が出場した試合がある時は、NHK衛星第2テレビジョン(2011年3月廃止。現在はNHK BSプレミアムに統合)で生中継されていた。 ラジオ第1放送 2007年4月1日にFM波変換の形で中継局が開局したが、本島⇔大東島間は衛星通信回線で信号を送っているため、極端な悪天候の場合は聴取できない場合あり。 ラジオ第2放送 FM放送 5月から8月頃のEスポ発生時以外は終日受信不可。中継局は設置されていない(開局時期も未定)。特に大東諸島は全国で唯一NHK-FM放送のラジオ放送による直接受信できない地域として残っている。 ラジオ共通 2011年9月1日からラジオ第1・第2およびFM放送のラジオ3波をインターネットで同時配信する「NHKネットラジオ らじる★らじる」が開始されたため、大東諸島ではラジオ第1・第2に加え、これまで聴取不可だったFM放送の番組もインターネットを通じて聴取できるようになった。当初は、仙台・東京・名古屋・大阪の4局のみを対象とした再送信だったが、2016年9月にはこれに札幌、広島、松山、福岡の全国主要基幹都市8か所の放送が聴取できるようになり、福岡発の「九州・沖縄向け」番組も聴取可能となった。ただし、権利処理困難で同時配信されない一部番組も含まれるため、FMの県域番組および権利処理困難で同時配信されない一部番組は回線・中継局が整備されない限り聴取不可のため、沖縄単県向けのローカル番組はらじる★らじるでは聴取することができない。 2018年度に試験配信後、2019年度から正式配信となったradikoについては、無料配信コースで、ラジオ第1は福岡放送局の分、FMは東京放送センターの分のみ配信しており、ラジオ第1の九州ブロック、または福岡県向けの番組以外の地域差し替え放送は聴取出来ない。(有料会員制のradikoプレミアムエリアフリーの、他地区放送も受信不可)またラジオ第2は2018年度の試験配信は実施されたが、正式配信開始後は対象外となった。 らじる★らじる・radikoとも、『ラジオ深夜便』は概ね毎月1回程度の月曜深夜、並びに年数回不定期に集中的に数日間行われる放送機器のメンテナンスにより、ラジオ第1放送が1時から5時まで放送休止となる場合、沖縄県内全域で放送休止および一部の地域での休止の際、該当地域に入っていれば、らじるらじるでの補完聴取を除けば全く聴取できない(まれにではあるが、福岡のラジオ第1と東京のFMが同時に休止となり、ネットを含めまったく受信できないケースもあったが、らじるらじるでは近年全国8局の放送に対応できるようになったので、休止でない地域・チャンネルで代替え受信することになる)。
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