大政奉還の成立とは? わかりやすく解説

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大政奉還の成立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:27 UTC 版)

大政奉還」の記事における「大政奉還の成立」の解説

10月3日山内容堂大政奉還建白書老中板倉勝静通して慶喜提出した慶喜この方策を採用し倒幕に進む薩長同盟先手を打つ形で政権天皇返上する動き進行することとなった10月11日からは、京都滞在していた10万石以上の大名重臣対し、「国家大事のため、見込みお尋ねの儀」があるとして13日正午二条城出仕するう回状が回された。10月12日夜半には大政奉還意図示した密書備中松山藩にいた勝静の顧問山田方谷受け取った方谷上表文草案密使渡し、京へ返した10月13日40藩の重臣50名ほどが二条城二の丸大広間集まったその後老中板倉勝静書付三通を渡すので、「見込みの廉」がある者は将軍直々に聞く伝えられた。これを受けて大目付戸川忠愛目付設楽次郎方谷作成した上表文を含む書付を3通渡し、「見込み」のある者は残って慶喜面会するように伝えた。これを受けて土佐藩後藤象二郎福岡孝弟薩摩藩小松帯刀芸州藩辻維岳宇和島藩都築温、備前藩牧野権六郎ら6名が慶喜拝謁し、ほかの諸藩重臣書面了承した旨を記入し返却している。これにより、幕府大政奉還意向公的に表明された。 その後上表文文案で「我」となっている部分を「臣慶喜」と修正し、「十月十四日 慶喜」で結ぶ形とされた。翌10月14日慶喜高家大沢基寿使者に「大政奉還上表」を朝廷提出すると共に上表受理強く求めた摂政二条斉敬朝廷の上層部はこれに困惑したが、小松帯刀後藤象二郎らの強い働きかけにより、翌15日慶喜加えて開催され朝議受理決定が行われ、慶喜沙汰書が授けられた。この沙汰書において、衆議尽くしたうえで今後決定し将軍家領地についても追って決定するとしている。同日朝廷10万石以上の諸大名上洛命じている。 大政奉還討幕派の機先を制し討幕名目を奪う狙いがあったものの、上表薩摩藩らの最大関心事であった将軍職辞任には一切触れておらず、なお慶喜武家の棟梁としての地位失っていなかった。10月14日慶喜小松帯刀対し辞職表明すれば家臣たちが不服を抱くであろう述べている。しかし小松辞職するべきだと進言したこともあり、慶喜10月24日征夷大将軍辞職朝廷申し出る幕府朝廷には政権運営する能力体制もなく、一旦形式的に政権返上して依然として公家衆諸藩圧倒する勢力有する徳川家天皇の下の新政府参画すれば実質的に政権握り続けられる考えていたといわれる見通し通り10月22日には国是決定のための諸侯会同召集までとの条件付ながら緊急政務の処理が引き続き幕府委任され将軍職暫時従来通りとされた。つまり実質的に慶喜による政権掌握が続くことになった実際に朝廷外交に関しては全く為す術無く10月23日外交については引き続き幕府中心となって行なうことを認め通知出した11月19日江戸開市新潟開港延期通告28日ロシアとの改税約書締結行ったのは幕府であった朝廷慶喜当分の間引き続き庶政委任し諸大名上京命じたものの、形勢観望するため上京辞退する大名が相次ぎ将軍職を巡る慶喜進退関し何ら主体的な意思決定ができぬまま事態推移した11月中に上京した有力大名薩摩芸州尾張越前各藩のみで、土佐藩山内容堂入京したのがようやく12月8日であった王政復古クーデター勃発するのはその翌日である)。この間土佐藩坂本龍馬越前藩派遣するなど公議政体構想実現向けた努力続けていた。 他方会津藩桑名藩紀州藩幕臣らの間には大政奉還薩摩土佐両藩の画策よるものとの反発広がり大政委任要求する運動展開された。

※この「大政奉還の成立」の解説は、「大政奉還」の解説の一部です。
「大政奉還の成立」を含む「大政奉還」の記事については、「大政奉還」の概要を参照ください。

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