大井川鉄道の敷設とは? わかりやすく解説

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大井川鉄道の敷設

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 04:32 UTC 版)

大井川」の記事における「大井川鉄道の敷設」の解説

大井川水力発電事業進展するのに合わせて建設が行われたのが、後の大井川鉄道(現 大井川鐵道)の各路線である。 大井川電力本格的にダム式発電所建設を行う際に、資材運搬するためのインフラ整備が必要となった大井川急流であり、上流接岨峡寸又峡のように険阻な峡谷形成されている。このため人力馬力による大量輸送を行うことは不可能であり、鉄道による物資運搬が必要と判断された。 鉄道路線は、かつての東海道宿場町であった金谷基点として建設され1927年金谷駅から横岡駅(廃止)間6.5 km開通したその後寸又川流域電源開発計画進行すると、合流点である千頭まで延伸する計画立てられ1931年昭和6年)には金谷駅 - 千頭駅間39.5 km開通した。これにより、千頭ダム寸又川ダム建設のための物資輸送鉄道により行われることとなったまた、ダム建設に伴う流木補償鉄道利用され、本来の建設物資輸送加え木材輸送加わった。さらに沿線住民貴重な交通アクセスとしても利用され始めた戦後は、大井川鉄道として独立することとなったが、ダム建設のための物資輸送役割継続していた。1951年井川ダム奥泉ダム建設事業開始伴って接岨峡安全に輸送するための路線整備図られ千頭駅から井川までの延伸事業開始された。1954年昭和29年)に完成したこの路線大井川鉄道井川線であり、これにより現在の金谷 - 井川間が全線開通した。 1957年井川ダム完成以後地域重要な足として利用されることとなった井川線中部電力所有運営大井川鉄道となっている。 電源開発事業終了後は、地域重要な足として利用されていたがモータリゼーション発達容赦なく経営圧迫し、他のローカル線同様に赤字路線転落した1969年昭和44年)には大井川鉄道株式会社名古屋鉄道傘下となって経営再建奔走したが、1972年昭和47年)には赤字路線対す国庫補助欠損補助金対象路線にまで落魄した。このころより鉄道廃止検討されはじめたが、起死回生一手として、1976年昭和51年)、大井川鉄道株式会社は、前年全国的に廃止されたばかり蒸気機関車 (SL) を金谷 - 千頭間に導入した。これは、廃止の淵に立たされた鉄道路線経営にとって大きな経済的効果挙げSL目当ての客が多く利用し大井川鉄道株式会社経営次第回復することとなったその結果1978年昭和53年)には路線存続正式に決定され1980年昭和55年)には欠損補助金対象からも外され経営再建果たした1990年平成2年)、井川線再度廃止危機陥った長島ダム建設伴って観光目玉一つであった接岨峡を通る井川線水没することとなり、線路付け替えをしなければ廃止となる状況となった。ただし、その付け替え後の線路では千頭から接岨峡勾配急になってしまい、そのままでは運転ができない状態であった。これに対し大井川鉄道株式会社は、アプト式鉄道導入した上記問題を、アプトいちしろ駅電気機関車連結して長島ダム駅まで急勾配の坂を昇降することで解決したのである。このアプト式鉄道導入は、信越本線横川駅 - 軽井沢駅間・碓氷峠アプト式鉄道1963年昭和38年)に廃止され以来の「復活」であることから、さらなる注目集めたこのように大井川鉄道は、近代鉄道捨てたものを拾うことで独自の存在感示しており、人気博している。なお、井川線赤字であるが、中部電力補助金によって赤字相殺している。

※この「大井川鉄道の敷設」の解説は、「大井川」の解説の一部です。
「大井川鉄道の敷設」を含む「大井川」の記事については、「大井川」の概要を参照ください。

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