冷房化改造・客室改良車の廃車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 08:27 UTC 版)
「大阪市交通局30系電車」の記事における「冷房化改造・客室改良車の廃車」の解説
冷房化改造・客室改良により残存した新30系についても、30系と同時期に製造され、冷房化改造と客室改良を一部編成に施工して堺筋線で使用されていた60系が2003年11月をもって引退すると、大阪市交通局が所有する車両として最後の抵抗制御で回生ブレーキを持たない形式となり、10系、20系、新20系などといったチョッパ制御やVVVFインバータ制御を採用し、回生ブレーキを備えた省エネ車両との消費電力の差が顕著になったうえ、車齢が30年を超えると走行機器や冷房機器の老朽化による故障が頻繁に発生するようになった。このため、大阪市交通局は2009年3月18日より30000系を谷町線に導入、営業運転を開始し、2013年12月までに新30系を全車置き換えていくことが発表された。これに伴い2008年度末の3059Fから再び廃車が始まり、それ以降は30000系の増備と並行して内部の骨組みが鋼製で老朽化が著しかったスキンステンレス車から優先的に廃車されていった。2011年度には、これまで置き換えのさなか検査期限を迎えた一部の編成に対し全般検査を施工していたが、7月5日に出場したアルミ車の3045Fをもって終了し、12月からは3048Fを皮切りにアルミ車の廃車も開始された。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}2011年3月11日に発生した東日本大震災後に日本国内の原子力発電所が安全審査のため停止したことなどによって電力危機に陥り、関西電力は6月10日付けで管内の企業や家庭に対し、15%の節電要請(法的強制力なし)を行った。これにより大阪市交通局も節電対策を行い、節電対策の一環として、日中時間帯の運用をすべて省エネ車両に統一することになった。前述の通り抵抗制御で回生ブレーキを持たない非省エネ車である本形式については、これまで省エネ車である新20系や30000系とともになんの制限もなく全ての時間帯において稼働していたものの、30000系の増備により廃車が進んで本数も減少してきたことから、2011年度以降の夏季については基本的に日中時間帯は稼働せず、平日朝夕ラッシュ時を中心とした運用が組まれるようになった。[要出典] 2012年度末にはスキンステンレス車として最後まで残存していた3093Fが廃車になり、スキンステンレス車が消滅した。アルミ車についても、2013年度には6月に3047Fが廃車となったことで、残るは3045Fと3049Fのみとなった(後述)。 晩年のスキンステンレス車両隣の新車(22系)と異なり、冷房装置間が新設の屋上ダクトで繋がっている。 アルミ車の室内紫色の座席(他形式は茶色)が特徴。 30系アルミ車・冷房改造車 トレーラーによって牽引される廃車車両(ステンレス車・第93編成) 運転終了 2013年8月23日の報道発表において、30系の運用を終了する旨と、大阪市営交通110周年記念事業イベントの一環として、最後まで残った3045F・3049Fを使用した30系の引退記念イベントの開催を発表した。営業運転終了に至るまでの経緯ならびに記念行事の内容は概ね以下の通りである。 8月25日から「さよなら30系」ヘッドマークを掲出。なお、9月6日までは「さよなら30系 Last Run」と書かれたヘッドマークを掲出して運用されていたが、9月8日より「さよなら30系 たくさんのご乗車ありがとうございました」と書かれた30系アルミ車のイラスト入りヘッドマークに変更された。 2013年8月25日から9月29日までの日曜日の日中時間帯に、30系を大日駅 - 八尾南駅間3往復の固定ダイヤで運転。 同年9月14日には大日検車場 → 八尾車庫・八尾車庫間 → 大日検車場間で、3049Fを使用した臨時列車「30系谷町急行」(事前応募制)を運転。 ヘッドマークが掲出された2編成のうち、3045Fは後に控えるさよなら運転に使用するための装飾整備を行うため、同年9月27日の朝ラッシュ時の運用をもって一般の営業運転を終え、3049Fについても同年10月4日の朝ラッシュ時の運用を最後に営業運転を終えた。そして、同月6日に大日検車場 - 谷町四丁目駅 - 森ノ宮駅間でさよなら運転(事前応募制)が行われた。さよなら運転には車内装飾(後述)などの各種整備を施した3045Fが使用され、出発式では運転士・車掌への花束贈呈も行われた。そして、さよなら運転終了後は森之宮検車場にいったん入庫して車内装飾を撤去した後、森之宮検車場 - 大阪港駅間を回送列車として1往復した。 なお、「30系谷町急行」と、「さよなら運転」では、それぞれ充当された編成の車内に装飾が施され、一部整備も併せて行われた。それらについては以下の通りである。 黒ずんでいた前面方向幕ガラスの洗浄(「30系谷町急行」・「さよなら運転」共通) 車内の戸袋部のポスター広告の部分に大阪市交通局が過去に撮影した写真や、「さよなら30系」ヘッドマークのイラストを掲示(「30系谷町急行」・「さよなら運転」共通) 車内の中吊り広告を撤去し、撤去した部分に大阪市交通局職員などから募集した写真を掲示(「さよなら運転」のみ) 3045Fは回送運転終了後にそのまま森之宮検車場に取り込まれ、翌7日付で廃車され、リサイクル工場へと搬出された。そして、さよなら運転終了後も大日検車場で留置されていた3049Fについても、10月12日に森之宮検車場へ廃車回送された後、翌13日付で廃車され、10月16日 - 18日の深夜にリサイクル工場へと搬出された。これにより、30系は緑木検車場に保存されている3062号車と、森之宮検車場に保存されている3008号車を残して姿を消し、大阪市交通局が所有する地下鉄車両はすべてチョッパ制御またはVVVFインバータ制御で回生ブレーキを備えた車両となり、省エネ車率100%を達成した。
※この「冷房化改造・客室改良車の廃車」の解説は、「大阪市交通局30系電車」の解説の一部です。
「冷房化改造・客室改良車の廃車」を含む「大阪市交通局30系電車」の記事については、「大阪市交通局30系電車」の概要を参照ください。
- 冷房化改造・客室改良車の廃車のページへのリンク