具体的な問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 22:09 UTC 版)
塩川正十郎は宇野内閣の官房長官当時の状況について「外遊する国会議員に餞別として配られた」、「政府が国会対策の為、一部野党に配っていた」、「マスコミ懐柔の為に一部有名言論人に配られていた」など、実態を「サンデープロジェクト」で暴露する(2001年1月)。しかし、財務大臣に就任後は国会でこれらの暴露について追及されると「忘れた」ととぼけた。 加藤紘一は宮沢内閣の官房長官当時、与野党政治家主催のパーティー券購入や会食、背広の購入費、出身高校同窓会費に使った事、さらには私的に流用したと、日本共産党が官邸の内部文書を入手して明らかにした。なお、加藤当人は否定している。 野中広務は2010年に読売新聞の取材に応じ、小渕内閣の官房長官当時、毎月計5千万円、最高で月計7千万円使ったと述べた。この証言は2009年9月に民主党への政権交代が起こり、使途を機密とする悪しき慣習の廃止を望んで行われた。使途は小渕恵三首相に月1千万円、自民党の国会対策委員長と参議院幹事長へそれぞれ月500万円。また、当時の議員の自宅建設費3千万円や野党議員の北朝鮮訪問に際して要求に応じたとも述べた。一方複数の政治評論家にも盆暮れ等数百万円単位で配られたとも証言しており、マスコミの中立性を疑わせるものとして問題になっている。 第3次小泉改造内閣で内閣官房長官を務めた安倍晋三が支出した官房機密費の使途公開を要求する行政訴訟がおこされている。日本共産党の塩川鉄也議員は、2010年3月10日の衆議院予算委員会にて、安倍が内閣官房長官在任期間中に「会合」の名目で計504回の官房機密費支出をおこなっていたことが判明したと主張した。 河村建夫が麻生内閣で官房長官当時、2009年8月の第45回衆議院議員総選挙で自民党が惨敗し下野が確定的になった翌9月、5度に分けて合計2億5千万円(一万円札で2万5千枚)を引き出していた(民主党が内閣官房を引き継いだ際には官房の金庫は空だった)ことが明らかになり、大阪市の市民団体「公金の違法な使用をただす会」から10年2月に背任罪・詐欺罪で告発されている(2011年10月に不起訴処分)。また、この件に関しては、やはり、大阪市のオンブズマングループが国に対して使途の情報開示を求める訴訟を起こしている(一審・控訴審共に開示命令。これに基づき2018年3月、一部開示)。鳩山由紀夫内閣は、2010年2月19日、この問題を質す衆議院議員鈴木宗男の質問主意書に対し、“前政権の個別の件については答える立場にない”としつつも、「明らかに異様な支出」とする答弁書を閣議決定した。 福田和也は「小泉時代にワタシが政権の悪口を書いていたら、内閣調査室の人間が来て、50万円を握らされそうになったことがある。ほしかったけど断ったけどね」と、石丸元章との共著『男の教養 ―トンカツ放談―』中で述べている。 田原総一朗は「FOCUS」のスクープ記事が出た当時、「もらったことは一度もない」と否定。しかし2012年1月26日、自由報道協会主催の会見で「1000万円渡されそうになった」と明かした。
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