会の成果
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全国犯罪被害者の会(通称「あすの会」)の活動により、2004年に犯罪被害者等基本法が成立した。この基本法によって「単に恩恵を受ける存在ではない犯罪被害者の権利」が確立し、「犯罪被害者が法廷に立って意見を直接述べる被害者の権利」が初めて認められたのである。次いで2005年に、同法に基づいて犯罪被害者等基本計画が閣議決定され、2006年より犯罪被害の認識を国民にひろめるための犯罪被害者週間も始まった。2007年には、刑事訴訟法や、「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」が、被害者の権利拡充の観点から大きく改正されて、被害者参加制度と損害賠償命令制度が創設された。これにより、犯罪被害者が検察官の傍で直接、刑事裁判で声をあげることができるようになり、別途に民事訴訟を起こさなくても、刑事の裁判官が速やかに損害賠償を命じることができるようになった。2008年には[犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律]の改正により、国から被害者への経済的な補償(給付金)が拡充され、同年には[少年法#少年法の歴史と主な改正|改正少年法]]も成立して、家庭裁判所での審判を被害者が直接傍聴することが可能となった。少年法は2014年に再度改正され少年への刑期が長くなった。 2010年に「公訴時効」を廃止する法律が成立して即日施行され、重大犯罪者の逃げ得を許さず、被害者の「真実を知る権利」が保障され、国民は逃げまどう犯人から守られるようにもなった。「時効の廃止」『あすに生きる』(あすの会出版、2010)pp.224-226。 そして2017年、「犯罪被害者等給付金の施行規則」が改正されて、親族間の犯罪では原則不支給(国家公安委員会規則)であったものが、原則支給される事となり、8歳未満の遺児がいる場合は、支給額が増額改正され、2018年4月から施行された。裁判所へ行く旅費や日当が支給され、国選被害者参加弁護士も付き、経済補償制度も改正され、犯罪被害者の権利が大幅に改善された。 被害者参加制度・損害賠償命令制度の創設 以前施行後記録の閲覧・謄写不可 裁判前でも可 検察官の説明門前払い 有 裁判期日の通知無 有 優先傍聴席無 有 在廷権無 有 被告人質問不可 可 情状証人への尋問不可 可 求刑意見など不可 可 遮蔽処置限定的 有 国選被害者参加弁護士無 有 旅費・日当無 有 損害賠償命令無 有 経済的補償制度の拡充 以前施行後遺族給付金額最高560万円~1600万円 最高1200万円〜3000万円 重傷病給付金最大1年分の治療費 最大3年分の治療費 休業補償無 有 障害給付金最高1450〜1850万円 最高2200〜4000万円 親族間の犯罪無 満額支給 仮払い無 有 国外犯罪の補償無 一部有 時効の廃止 以前施行後殺人等の重大犯罪15年〜25年の時効 完全廃止・その他の犯罪も時効期間の延長 少年審判傍聴等の創設 以前施行後記録の閲覧・謄写不可 可 審判の傍聴不可 可 裁判所による説明無 有
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