会の動向
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2000年に岡村勲が『文藝春秋』に寄稿した「私は見た『犯罪被害者』の地獄絵」を読んで、感銘を受けた母校の一橋大学出身者らを中心に、「犯罪被害者の会を支援するフォーラム」が結成され支援が始まった。発起人代表は、瀬戸内寂聴(作家)、石原慎太郎(東京都知事)、樋口廣太郎(アサヒビール名誉会長)、奥田碩(経団連会長・如水会理事長)、事務局長・高橋宏(首都大学東京理事長、一橋総研理事長、如水会副理事長)、山本千里[リンク切れ](如水会理事兼事務局長)らであり、精神的・経済的に「あすの会」を土台から支援していた。「犯罪被害者の会を支援するフォーラム」から精神的、資金的に多大な支援を受けた「あすの会」には、多くの寄付金が寄せられ、会費は無料であった。一方、白井孝一弁護士を代表とする顧問弁護団[リンク切れ]も結成されて各種の改革法案が練られた。 こうした「あすの会」の活動により、刑事犯罪に長年目をつむっていた国や国民は、再び大きく動き始めた。しかし、日本弁護士連合会(日弁連)は「将来に取り返しのつかない禍根を残す」と言い、「犯罪被害者の権利擁護」に強く反対した。日弁連は2017年に至って、人権擁護大会で犯罪被害者への支援充実を決議したが、「あすの会」を支援してきた弁護士からは、被害者支援に反対してきた日弁連のそれまでの活動に対して批判があり、反省する文言を入れた修正案も提起されたが賛成は少数だった と、 「あすの会」は、日本の司法制度改革を目指して2002年と2004年の二回にわたりヨーロッパへ調査団を派遣し、全国大会を開催し合意を図りつつ活動して行った。岡村勲は、第13回国際被害者学シンポジウムで特別講演[リンク切れ]を持ち、国際理解を得ながら日本全国50か所で街頭署名活動を行い、557,215名の署名を集めて内閣総理大臣に提出した。林良平らは、犯罪被害者の現状を国民に広く知ってもらうために、人形劇『悲しみの果てに~絶望』を全国公演する一方で、地方自治法99条[リンク切れ]に基づく陳情活動も行い、117都道府県市町議会の賛同を得た。その結果、犯罪被害者やその遺族を支援する以下の法律・制度が整備された。 犯罪被害者等基本法 被害者参加制度 損害賠償命令制度 公訴時効を廃止する法律 犯罪被害者週間の創設 警察庁による公的懸賞金制度の実現 犯罪被害者等給付金支給法の改正 改正少年法 「犯罪被害者等基本法」は2004年、中学校、高校の教科書に掲載され、2010年の創立10周年記念シンポジウムでは、「犯罪被害者の会を支援するフォーラム」発起人代表である石原慎太郎(東京都知事)から、「歴史に刻まれる尊い闘いである」との祝辞があった。 「あすの会」の活動は、捜査や裁判のためにや被害を受けた苦しみを、後世の被害者に再び味わわせたくない一心の市民運動であり、設立当事者に恩恵は及ばなくとも、あすの犯罪被害者が落胆しなくて済むようにと願い「あすの会」と命名された。その活動は、写真と共に「あすに生きる」と題する記録本にし、2018年6月3日、当時の法務大臣上川陽子、元法務大臣の保岡興治と杉浦正健および山下貴司法務大臣政務官らも出席して、第16回全国犯罪被害者大会が開催されて解散した。
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