仕事屋
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知らぬ顔の半兵衛 演 - 緒形拳 蕎麦屋「坊主そば」の主人。明るく闊達な人物で、商売そっちのけで賭場に赴く大の博打好き。勝負では負けることも多いが、度胸があり土壇場の勝負運は強い。 口ひげを蓄えており殺しの道具の剃刀もこれを手入れするための物だが、第13話以降は剃り落としている。丸刈りの頭は博打から更生しようとして出家した際の名残りと発言している。 前の店主と店の権利を賭けて勝負し、勝ったことで蕎麦屋の主人となる。なお、前の主人は負けたことにショックを受けそのまま亡くなった。 売上げを持ち出して博打に興じるなどお春を困らせるが、一方で、言葉少なくも彼女を深く愛している。人生観も博打の影響を強く受けており、博打打ちの末路に自分の将来を重ねることも多い。 おせいに見込まれ裏稼業に足を踏み入れたため、当初は殺しは全くの素人だった。そのため殺しの練習をするシーンや、素人然とした殺しなどが多々見られる。だが、最終話に近づくにつれプロの殺し屋となっていく。 第25話でお春に裏の仕事を知られ一緒に生きていくことを誓うが、その矢先、仕事屋は崩壊、愛用のカミソリまで折れてしまう。政吉の遺した懐剣で最後の仕事を終えたあと、役人に追われる途中で報酬をお春のいる店に投げ込み、いずこへと去る。 後に、必殺スペシャル『仕事人大集合』に登場し、駿府で飾り職人の秀と組み、裏稼業を続けていたことが明かされる。『必殺仕置長屋 一筆啓上編』第12話では、未だ手配中の身であり江戸には戻っていないと語られる。 侍くずれの政吉 演 - 林隆三 流れの博徒。一部では「いかさま師」として有名で他人のいかさまを見抜く眼力も高い。ただ、劇中で自身がいかさまを行うことは稀で、普通に賭け事を行っている。 元は旗本(松永家 五千石)の跡取りであったが、養子という出自から家を飛び出し博徒となる。実はおせいの実子であり、武器に用いる女物の懐剣は別れる際におせいが渡した形見である。すぐに実子と気付いたおせいに対し、自身は終盤まで気づかなかった。 半兵衛とは因縁ある関係であったが、仕事屋となると同じ博打狂いとして悪友となる。第25話では勘違いで半兵衛を刺してしまうが、逆に絆をより強くする。 最終話で火盗改に捕まり仕事屋の内情を吐かせるために拷問を受ける。最期は己の口を封じるために役人のすきをついて役人の刀を奪い、おせいの目前で自害する。 利助 演 - 岡本信人 嶋屋の番頭で仕事屋の密偵。情報収集と連絡係を担う。 真面目な性格で賭け事を嫌う。博打好きの半兵衛と政吉に嫌味な発言や態度を取ることが多々あるが、後半では強い信頼関係を築いていた。元は清衛門配下の盗賊で凄腕の御金蔵破りであり、劇中では盗賊時代に培った体術や技術を披露することもある。 最終話でおせいを庇い、刺客の匕首で刺され死亡する。 嶋屋おせい 演 - 草笛光子 飛脚問屋「嶋屋」の女主人で、仕事屋の元締。 大盗賊の夫である清衛門が残した大金を使い弱者のための裏稼業「仕事屋」を始める。裏稼業の元締として常に厳しい態度で臨むが、後述の政吉との関係など陰では感情的な一面を見せることもある。原則として殺しはしないが、依頼に嘘があったり自分に直接関わる場合には自ら手を下す。 かつて、ある事情から生き別れになった息子が政吉であり、子を捨てたことを今でも後悔し政吉に母としての情を抱くが、仕事屋の元締としてそれを隠し通し厳しく接する。 最終話で、火盗改の熊谷に裏稼業がばれ危機に陥る。半兵衛に最後の仕事を頼み自身は熊谷を殺害して復讐を果たす。眼前で政吉が自害し自分も死のうとするが半兵衛の説得で思い留まる。 後続作品の『必殺商売人』の「おせい」は同一人物という設定である。
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