仕事内容と職場環境
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 02:07 UTC 版)
アーキビストの仕事は新たなコレクション(収集物)を入手したり査定すること、記録を順番に並べたり説明書きを加えること、閲覧者に利用案内をすること、資料の保存処理を行うことなどである。アーキビストは記録を整理する際、二つの重要なルールに従う。記録の出処や権利保持者、そして元の(整理する前の)順序である。倫理に照らし合わせる作業も怠ってはならない。このような一般の目には見えない作業と同時に、コレクションの翻訳や説明を加えて閲覧者を助けたり、問い合わせに答えたりする。 アーキビストは政府機関、地方自治体、博物館、病院、歴史協会、非営利や営利団体、大企業、大学などで働いている。またその他にも、研究や展示や家系図作成に携わる人間などが貴重であるとする資料を保管している場所でも仕事に就いている。大家族あるいは個人の膨大なコレクションの整理に従事する者もいる。 アーキビストはしばしば教育者でもある。自身が管理するコレクションに関連するテーマについて大学で講義を持つことも珍しくはない。文化機関や地方自治体に雇用されているアーキビストは、利用者がコレクションの閲覧方法を知ってコレクションについて理解を深められるよう教育的なプログラムを用意したり、コレクションに関心がない人々に働きかけるプログラムを考え出すこともよくある。コレクションの展示、プロモーション・イベント、メディアでの紹介にまで仕事が及ぶこともある。 アメリカ合衆国においては、アメリカ議会図書館とアメリカ・アーキビスト協会がアーカイブ目録索引符号化の標準規格であるEAD(Encoded Archival Description アーカイブ符号化記述)を共同で導入して以来、年々高まる資料のオンライン閲覧の要求とも相まって、アーキビストには1990年代より情報処理の知識を要求されるようになっている。研究者にオンラインで目録索引を提供するために、アーキビストの多くは基本的なXMLを心得ている。
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